第2章
2節―運命が許さない旅―
銀色の狼
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の球はその見た目通り火属性なので、水属性を持っているサイレンを使い、攻撃力を数倍膨れあげさせる『刀スキル』を使ったのだ。
しかもその中で選んだのはもっともタイミングがシビアだがもっとも攻撃力が上がり、さらに一瞬だが武器のリーチが3倍に上がる『居合切り』。
その結果、離れて接近していた炎の球もろとも一刀両断したのだ。
「はぁっ…!」
まさか炎の球を躱すどころか破ってくるとは思っていなかったのか、ソウヤの攻撃に銀色の狼は反応することが出来なかった。
ソウヤは銀色の狼の金色のその目玉にサイレンを突き立てる。
「…………ガアアアアアアアァァァァ!!!!」
目玉をつぶされた痛みに理解が追い付かなかった銀色の狼は数瞬の間、固まったままだったが、突如として叫び声をあげた。
なんとか顔にしがみついているソウヤを振り落とそうと、銀色の狼は必死に頭を振るがソウヤにはそんなのは関係ないと言わんばかりにしがみついたままだ。
―1人で、なんとかこいつ”だけ”でも殺しとかないと…!
ソウヤはそんな思いが脳裏を横切り、必死に目に突き立てたままのサイレンを持ち続ける。
そして、ソウヤはタイミングを見計らってもう1つの目に黒鏡破を突き立てた。
「グァッ!?グルァアアア!!!!!!」
さらなる強烈な痛みに銀色の狼は一瞬驚いたように唸り声をあげるが、次の瞬間にさきほどよりも強烈で、まるでドラゴンを思わせる咆哮をした。
その咆哮による風圧でさすがに耐え切れなくなったのか、サイレンと黒鏡破は目から抜けてそれに準ずるようにソウヤも地面へ落下する。
ソウヤは地面に背中から落下すると同時に起き上がってその場からいったん離れた。
「はぁ、はぁ……すぅーはぁー」
ソウヤは久しぶりに味わった緊張感に―最近は緊張する暇がなかった―暴れる心臓を落ちつけようと深呼吸する。
そして、血がこびり付いたサイレンと黒鏡破を水魔法できれいにすると落下した時に終了させた『肉体強化』を再び発動させると銀色の狼に向かって走った。
なんとか強烈な痛みも治まってきたのか、銀色の狼は悶えながらも気配が分かったのか的確にソウヤに向かって尾をふるう。
しかし、やはり弱ってきているのか始め程スピードも出ていなくソウヤはそこにサイレンを突き立て、尾の上によじ登った。
そのままサイレンを仕舞い、黒鏡破だけ持つ。
―このまま…いくっ!
ソウヤは残り少なくなってきたMPを総動員させて黒鏡破に魔力を流す。
呪いがかかってから4週間たった今、使える能力は限られているが…だが限られているとは言えそれは希少能力だけである。
ならば、特殊能力は使えてるのだ。
それならソウヤにも正
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