第2章
2節―運命が許さない旅―
銀色の狼
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
目の前から巨大な尾が現れそれにソウヤは巻き込まれて後ろに吹きとび、木にぶつかった。
「がッ…!」
背中と腹に鈍痛が走るのを感じながらも、ソウヤは『肉体強化』を施しておいて良かったと心の底から思った。
ソウヤが頭をあげると瞬時に移動してきたであろう銀色の狼の姿が見える。
―やばい、こいつはマジで呪いが解かれないと俺1人じゃ到底相手に出来ない奴だ。くそッ!なんで俺ばっかりこんなめに遭うんだよ…。
ソウヤは自分のあまりの不運に愚痴を吐きながら、その場から立ち上がり黒鏡破を取り出した。
『魔魂剣』にはある理由があるため今は使用が出来ないのだ。
ソウヤは黒鏡破を右手に持つと左手にサイレンを持ち、全力で銀色の狼に向かって走り出す。
「グルァァッ!」
「やっぱり…はや、がッ…!?」
銀色の狼は瞬時にソウヤの目の前に移動すると、その巨大な尾でソウヤを振り払った。
再びソウヤは吹き飛ばされるが黒鏡破とサイレンを地面に突き立て、勢いを殺すと地面に着地する。
しかし、構える余裕すらなくまた目の前に銀色の狼が次は前足を振り上げた状態で現れた。
「ッ…!?」
ソウヤは咄嗟にサイレンを盾のように突き出して前足の攻撃に耐える。
耐えた影響か、腕から血が滲み出るがソウヤはそれを一々気にせず、右手に構えた風魔法を纏わせた黒鏡破を前足に向かって突き立てた。
黒鏡破の高い切れ味が手助けしたのか、なんとか肉を裂く事にソウヤは成功する。
「グアアァァッ!!」
自分より弱い相手に傷を負わされたのが気に食わなかったのか、銀色の狼は叫ぶとその場から離れて、連続で口から炎の球を吐き出した。
ソウヤは黒鏡破を地面に置き、サイレンを腰の鞘にいったん入れると、息を止める。
迫りくる数弾の炎の球がソウヤの目の前に迫ったとき、ソウヤはサイレンを鞘から一気に解き放った。
すると周りに迫っていた炎の球が瞬時に水蒸気に変化して空へ消え去る。
「『居合切り』」
ソウヤは静かにそう呟くと同時に地面に置いてある黒鏡破を手に取り、『肉体強化』最高効力で銀色の狼に接近する。
先程ソウヤが行った『居合切り』という技は、サイレンや黒鏡破などの刀に必ず固定スキルとして存在するスキル『刀スキル』の1つだ。
先程の説明としては簡単に言えば、サイレンにある2つの固定スキルを利用した結果と言えよう。
サイレンの固定スキルは2つある。
1つ目は先程話した『刀スキル』で、このスキルの技は非常にダメージが入るところがシビアだが、入れば通常の数倍のダメージを与える事が出来るのだ。
2つ目は『水属性付加』という名前でその名の通り水属性をその武器に付加させることが出来る。
つまり、ソウヤは先程の炎
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ