第2章
2節―運命が許さない旅―
遭遇
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のだ。
しかし、この世界はもう現実となってしまった。
外に出れば確実に迫るであろう死へのプレッシャー、そして死ぬかもしれないという恐怖感。
それらが出てしまい、熟練度が上がりにくい弱い敵ばかり倒してしまって、結果、スキルの熟練度をあげるのは至難の業となっている。
ソウヤの場合、メインスキルやサブスキルのチートによって助かり、その報酬として超人になってしまったのだが。
とにかく、この世界では『熟練度上げ=死の近道』という方程式が出来上がってしまっているのだ。
なので熟練度を達人まで上げるのにどれだけ時間がかかるか分かったものではない。
だからソウヤは可能性が低いと思ったのだ。
―でも、正直これしかないんだよな…。一応頭に入れておいて、しっかりと注意しながら進んでいくとするか……。
ソウヤはまた溜息を吐きながらその同じような景色な森を歩き続けるのだった…。
何となく感じる、強大な気配を身体にひしひしと伝わるのを感じながら……。
深い闇の中を、1人の女性が漂っていた。
肌の色は微妙に赤く染まっており、その背中の羽根は燃え盛る炎のように揺らめいているが分かる。
漂うショートカットの髪は紅蓮のごとく赤く染まって、暗闇の中で一層目立っていた。
「………か!?…っか…し…!」
その女性は、若い男の声によって意識を取り戻し始める。
そして、重い瞳をなんとか持ち上げ…その銀に光る瞳をそっと開けた。
「ん…」
森の中でたった1つだけの大きな滝の内側の洞窟の奥でソウヤは眠っている女性を見つけ、起こしたのだ。
その外見的にガルフであろう女性が瞳を開けるのを見て、ソウヤは外側は顔色1つ変えず、しかし内心は大きく安堵した。
まだ、その女性は意識が完全には回復していなくその洞窟の暗がりの中でも目立つその銀の瞳は虚無を見つめたままだ。
ソウヤは出来るだけ早く話を聞きたかったので、鋼魔法で魔物の角などの形を変え、コップに変化させて水魔法で水を汲み、それを女性に渡す。
その女性はそれをボーッと見つめたまま、その水を一気飲みした。
「……!?」
冷たいその水で意識が覚醒したのか、急に目を大きく開け、その女性はソウヤからいきなり距離を取る。
ソウヤが女性に視線を合わすと、その女性はソウヤを睨んだ。
どうやら意識は回復したようだとソウヤは安心して、溜息を吐いてから無表情のまま口を開けた。
「…どうやら意識は戻ったみたいだな」
「……お前は誰だ?…いや、名乗るのはこちらからだな、俺はナミルと言う。お前は?」
「ソウヤだ。それより良かった、お前が見つかってな、村の人々が心配していたぞ」
女性…ナミルはアルトの声で素っ気なく言い返す。
ソウ
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