第2章
2節―運命が許さない旅―
村とナミル
[4/4]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
の強さに溺れることなく弱き者を守るために全力を尽くしていることからついたそうだ。
今回の魔物の件もナミルは笑顔で受けてもらい、さらに報酬もいらないといったらしい。
「優しい人なんですね…」
「そうだな」
それでソウヤとルリは感心していると、男性が止まり2階建てという村では村長の家の次に大きい建物を指さした。
「ここが旅人専用の宿です」
「すまないな、忙しいところ」
「何、噂でとても有名な人たちがたくさん私たちの村に留まってくれるだけでも思考の喜びです」
「そう…か。それではな」
「はい」
ソウヤは何か思うところがあったのか、男性にそれだけ告げると宿に入っていった。
次の日の朝、外が騒がしく目が覚めたソウヤは獣の皮をなめて作ったのであろうカーテンを開け、外の様子を見る。
村の中心である小さな広場で沢山の村の人々が話し合っているのが目に入り、ソウヤは何事だと急いでいつもの服に着替え外に出た。
外には一人の…多分村長であろう老人が台の上に立って村の人々を静まらせるのが目に入る。
ソウヤは嫌な予感がして、人々の間をかき分けて村長の前へとその姿を現した。
「村長…だな?どうしてこうなっているのか聞きたいのだが?」
「ふむ、ソウヤ殿かね……どうじゃソウヤ殿。わしらの村の依頼を引き受けてもらえんかの?」
依頼という言葉をソウヤは聞いて、さらに嫌な予感を膨らませ多少寝ぼけていた顔がいつもの無表情になり始める。
村長はそのことを知ってか知らずか、率直にソウヤに申し出た。
「単刀直入に言うの。お主とその仲間で”行方不明”となったナミル殿を探してきてくれんか?」
ソウヤの顔がその瞬間驚きに染まる。
大陸で18人しかいない―本当はもっといるが―二つ名持ちであるナミルが行方不明になったと聞かされれば、その表情を驚きに染める理由に申し分ないだろう。
そこでソウヤは案内をした男性の言葉をおもいだした。
『最近魔物の動きが活発になっているので』
魔物が活発する…ということは魔物の上を行く存在がいるという事にイコールする。
下級魔族などは二つ名持ちだと倒すこともできるので、下級魔族の存在はないといって良いだろう。
中級魔族も多数居れば倒せないとはいえ逃げて村人に伝えることも可能なはずだ。
つまり、それを行く存在…つまり突然変異か、上級魔族か……それとも将軍魔族の3つに分かれる。
まためんどくさいことになるな…とソウヤは内心そう愚痴を吐いた。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ