第2章
2節―運命が許さない旅―
村とナミル
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
にある村で泊まらせてもらってから、そこからはしばらくは野宿だな」
「了解」
ソウヤはそれだけ言うと、明かり兼魔物避けであるたき火に木の枝を投げ込んだ。
「ようこそいらっしゃいました、ソウヤご一行殿。私たちの村へ」
あれから1夜を野宿で過ごしたソウヤたちは、泊まると言われていた村へ来ていた。
村へ着くと村の中年より少し年下くらいの男性が、そう丁寧にそう良い頭をゆっくりと下げる。
やはりというか、ソウヤ達の噂はしっかりと耳に入っていたようで名前を知られていた。
都市であるレーンに行く旅人が多いのか、とても手慣れた様子でこの村にある宿―通常は宿などない―に案内される。
そこでソウヤたちは案内の道路の畑を見て感嘆の声をあげた。
「きれいだな、この景色は」
「有難うございます、ソウヤ殿。我が村自慢のナム畑で御座いますから」
ソウヤ達の歩いている道の両端の景色は、黄金色に輝いておりまるで秋の小麦畑のような景色だった。
そこでソウヤは思い出した、今はこの世界でいう12月でほとんど作物は育たないはずなのだが…と。
「そのナムというのは冬の作物なのか?」
とソウヤは案内している男性に問いかけると、男性は苦笑いをした。
「ソウヤ殿と同じ異世界人にはよく言われますが…このナムという作物はとても根太い生命を持っていて、やろうと思えば四季のすべてに収穫できるとても画期的な作物なのです。味も意外といけますよ」
「まぁ大体の村は冬に収穫できるようにしますが…」とナムの説明は締めくくられる。
しかし、ソウヤは少し違和感をそこで感じ、そして気が付いた。
ナム畑の端の部分であろうところのナムがなくなっているところを。
「そういえば、ナム畑の端に荒らされたような形跡が見えるのだが、魔物のせいか?」
「あぁ、よくお気づきになられましたね。多分魔物でしょう、最近魔物の動きが活発になっているので」
「大丈夫なの?」
「えぇ、先日着て頂いたナミル殿にお頼みしました」
ナミルという名前を聞くとエレンとレーヌはほっと安堵の溜息をつくと「「安心ね(だ)」」と口を合わせて言った。
しかし、ナミルの存在自体を知らないソウヤとルリは頭の上に?マークを浮かべる。
それに気付いたエレンはソウヤとルリに向かってナミルの事を説明した。
「ナミルというのはガルフ族の一人のことだ。ガルフ族特有の高い筋力を持ち女だというのに大剣を軽々と持ち上げる事が出来てな、その強さは世界中に名を残しているほどだ」
「そんなにすごい人なのか…」
「えぇ、二つ名も持っていて『弱守強者のナミル』と言われているそうよ」
二つ名の由来はナミルは非常に高い戦闘力を持ちながらも、そ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ