第2章
2節―運命が許さない旅―
将軍魔族
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、昔のような口調で話した。
「魔力サンキューな。お前の天使の魔力、有難く使わせてもらうからな!」
それにエレンは呆気にとられると、プッと顔を真っ赤にしている自分が馬鹿らしく思えてきていた。
不敵な笑みをエレンは浮かべると手を上げて口を開ける。
「当たり前だ、今だけの天使の加護なんだからな。有難く使っておけよ」
ソウヤも不敵な笑みを浮かべるとエレンの手の平に向けて軽く自分の手の平をたたきつける。
パンッ!という音が周りに響き、そしてその次の瞬間にはソウヤはそこには存在しなかった。
エレンは手のひらに残る微かな暖かさを逃がさないように胸で抱きしめて、ほのかに赤らんだ頬でソウヤが向かった方角へ顔を向ける。
「…絶対に負けるな……『均等破壊』ソウヤ…!」
「…見えたッ!」
ソウヤは今出来る最速の速さで上級魔族を追いかけると、その速さと重なり合わせて上級魔族へジャンプした。
ありえない速度で上級魔族に向かって行き…ソウヤは上級魔族に向かってその巨刀を振り下ろす。
しかし、次の瞬間ソウヤの目の前にはマグマのような青い炎が迫りソウヤは吹き飛ばされてしまう。
その拍子にソウヤの手から黒鏡破が飛んで行ってしまった。
「ぐっ…これは『獄青火魔法』…?」
「クックック…またお前か、妖精」
低い唸るような声のもとにソウヤは顔を向けると、その姿に驚きに顔を歪ませた。
さきほどとは天と地のほどの超濃密度の力の圧力を放っているほとんど妖精と変わらない姿をした魔族が立っていた。
体は赤黒く、髪は静かな灼熱を思わせる紫っぽい青のロンゲ。
服は光沢をもった漆黒のコートを羽織っていた。
「お前、まさかあの中級魔族か…?」
「そうだが、今は違う。お前のありえないほどの濃密度の魔力を受けて上級魔族からも進化したのだよ。まさか俺もなれるとは思わんだがな」
「…ッ!?」
上級魔族からの進化だぞソウヤは聞いたこともなく、顔をただ驚きに歪ませるばかりだった。
それを面白がるようにその魔族は笑うと静かに口を開く。
「知らんのか?将軍魔族だよ。妖精のくせにしらんとはな?」
「魔族の将軍…?初めて聞いたぞ……」
わけがわからなくなってきたソウヤは、アイテムストレージからサイレンを取り出して巨刀化する。
それをみた将軍魔族は地面に転がっていた黒鏡破を拾い上げるとそれをソウヤに向けた。
「お前の魔力をもらったおかげか、いろいろと良いものが入ってきた。この巨刀も簡単に扱えるのもそのおかげだろうな」
「人の物を勝手に持ち出すのはよくないと思うがな」
「魔族にはそんなことはないぞ?力さえあればな
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