第2章
2節―運命が許さない旅―
将軍魔族
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抱えると悲しみその美しき顔を歪ませた。
「ソウヤ…なのか?どうしてこんなことに…!?」
エレンはソウヤであろう男の胸に耳を当てて、生きているのに心から安堵する。
これからなぜそうなったのか見当をつけるとエレンは目に魔力を通し、ソウヤのうちにある魔力を確認を行った。
「…魔力がない?あのありえないほどを秘めていたソウヤが…?…とにかく回復しなければ。ソウヤなら1年は昏睡を続けるからな…」
エレンは驚愕に顔を染めながらそうつぶやくと、今度は少し顔を赤らめながら対処をするようにつぶやいた。
深呼吸を何回かエレンはすると、目を閉じて言葉を紡いだ。
「汝に我の力を…『与魔天使』」
するとエレンの身体がほのかに輝き始めた。
そのままエレンは顔を真っ赤にしながらソウヤの顔に自らの顔を持っていき、そのまま――
「んっ…」
――キスをした。
その次の瞬間、エレンの身体を包み込んでいる光はソウヤの身体を包み、そして消えていく。
バッ!という音が出そうなほど勢いよく顔を上げたエレンは急いで急ぐ鼓動をとどめようと深呼吸を10回ほどすると、トントンッとソウヤの肩をたたいた。
ソウヤは暗闇の中、唇になにかやわらかい感触がするのに意識が少しだけ浮上し始めた。
なんだろうと思う暇もなく、その感触は離れてしまう。
「……ヤ、………、…ウ…、…ウヤ、ソウヤ、ソウヤッ!」
その後に来たのは肩にくる衝撃と、聞き覚えのある声…その2つでソウヤの意識は覚醒した。
「ん…?」
ソウヤは微かに目を開けると、木々の隙間を縫うように入る光とそれをバックに目の前に顔を少しだけ赤らめているエレンの姿が目に入った。
ゆっくりとした動きで上半身を起こすと、エレンに目線を合わせる。
「エレ…ン?」
「ソウヤ…よかった。目を覚ましたのか……」
ソウヤはそれにうなずくと、少しの間ボーッとして倒れる前の記憶を探り…完全にソウヤの意識は覚醒した。
勢い良くその場で立ち上がると、ソウヤはアイテムストレージから黒鏡破を取り出して巨刀化させる。
しかし、空間魔法の消費が激しく昏睡状態から解放されたソウヤのMPでは厳しくふらついてしまう。
なんとかふらつきを抑え込んだソウヤは、膝をついてしばらく激しく息をすると再び立ち上がってその巨刀を構えた。
「…大丈…夫なのか?」
「あぁ、大丈夫だそれに……」
それに?とエレンが首をかしげるなか、ソウヤは少し顔を照れているように赤くしながらニッと笑った。
「お前の天使の加護がついてるしな」
「なっ!?」
それに顔を真っ赤にするエレン。
ソウヤは頭を掻いて珍しく照れ笑いをすると
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