第2章
1節―旅の中で―
現状認識、そして神々の話
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の先の予定だが、しばらくは依頼もこなしながらゆっくりと旅しようと思っている」
「旅…ですか?」
決まった宿―少し高額だったが、風呂付きだった―のソウヤの部屋で4人は集まって今後の話をしていた。
そこで、ソウヤが言った言葉にルリが疑問符を頭に浮かべながらそう尋ねる。
ソウヤはそれにうなずくと、口元をすこし歪めて微かに苦笑いをすると言葉を発するために口を開けた。
「そうだ。流石に依頼ばかりの暮らしは疲れたからな…」
「そっか、ソウヤは異世界人だから冒険者の暮らしに馴れていないわけね…」
「まぁ…そうだな」
ソウヤは一発で自分の考えを読まれたことに一層苦笑いを深くするが、次の瞬間には顔を元に戻していた。
そして机の上に載っている宿の人に頼んで作ってもらった飲み物を取ると、一口飲んで喉を潤す。
飲み物を机の上に戻すとソウヤはまた話し始める。
「俺たちの暮らしていた国は比較的安全で大きな争いとかはなかったからな。しかも大体は18歳になるまでは全員学校っていう教育場に行かされているからな」
「ほぅ、18歳もその学校にいたのか。私たちの世界にも職ごとの学校があるが大体は14歳で卒業するからな」
この世界にも学校があることに少し驚いたソウヤだが、そういえばβテスト時に学校らしきものを見たっていうプレイヤーも多かったな、と思い直す。
「俺の年は17歳だからな、小、中、高と学校があったんだが、その俺は高の学校にいた。」
「へぇ…。意外とあなた若かったのね」
「…どういうことだ?」
ソウヤは意味が分からずそう言葉を返すが、レーヌはクスリと笑って「年相応ではない…ていうことよ」と曖昧な答えを返した。
その答えに意味が分からず頭を思わずひねるが、結局分からなかったので置いておくことにする。
「ま、それは置いといてだな。で旅することになるが構わないか?」
「えぇ、良いわよ」
「私はソウヤに着いて行くだけだからな」
「私は別に構いません」
了承を得たことをソウヤはうなずくと、初めてのゆっくりとした旅に内心心を躍らせていた。
…だが、そんなことはソウヤが『巨剣使い』を手にした時点で許さず、これからも忙しくなることを今だソウヤは知らない……。
それから時間的に鐘が20回なら響く…つまり20時になるまで雑談をしてからソウヤたちは各自の部屋に戻っていった。
1人になったソウヤはしん…と静まり返った暗闇の世界の中で静かに考える。
―この世界で魔王を倒せば本当にこの世界から抜け出せるのだろうか…?いや、そう思っておこう。そう思わなければ生きてられないしな…。
ソウヤはこれからの旅の事を頭の中で静かに思い浮かべる。
そしてそれが、なぜか今の自分には到底遠い光
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