第2章
1節―旅の中で―
レーヌ再会、大陸を渡る船にて
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あら、そんな人ならこの世界中にいくらでもいるわよ?」
「…もう良い。で、用件はなんなんだ」
ソウヤが眠たげな眼を静かにレーヌに合わせると、レーヌは少しクスリと笑いソウヤに手を伸ばしてソウヤの頭を撫でる。
それを嫌に思ったソウヤはその手を振り払うと、ジト目でレーヌを見つめた。
「あら、心外ね。頭のくせ毛直してあげただけなのに」
「…用件は」
「用件っていわれてもねぇ…。ただ私はソウヤに興味を持っただけだしね。そういえば、あなたはこれからどうする気なの?あんなに有名になって」
それを率直に言われたソウヤは別に慌てもせずに表情を変えないままで、静かにベッドに座った。
そのまま目を閉じてしばらく話していいものかと悩むと、不意に目を開けて口を開く。
「教えられない」
「教えられないってことは教えられないことでもあるのかしら?」
「冒険者では情報は命に関わる…知らないわけでもないだろう」
ソウヤがそう言うとレーヌが「そうね…」と言って口を閉じるのをソウヤは見て、追撃を掛けようと声を掛けようとした。
だが、不意にレーヌが微かに微笑んでいる様子で口を開く。
「じゃあ、私の希少魔法を教えるのを代償にして情報を教えてくれない?」
正直に言うと、ソウヤはこの情報交換は良いものであったいうべきだった。
情報は冒険者の中ではもっともな戦力として置かれており、その意味は自分が不利にならないためであるのだ。
ソウヤの場合は多少情報が出回ってもその戦力にはあまり大差ないし、正直『巨剣使い』の対策はあまりあり得ないとも言える。
しかし、普通の冒険者はその相手の癖、動きの前兆、細かな隙などを知って初めて相手に戦いを挑むものだ。
それは魔物としても変わらず、初級の相手ならば普通に倒せるがある程度強くなるとやはり武具とスキルだけでは対処できない。
情報は強力過ぎる相手を倒す場合もあるほど、大切なのだ。
「…別に良いが、俺がそれでも伝えられるのは特殊に入る数個だけだが…」
「良いわよ。どうせあまりこの技は使えないしね」
そしてソウヤとレーヌは2人だけで情報交換をした。
今、ソウヤが情報交換に動いたのは単なる興味心であり、それ以上でもそれ以下でもない。
だが、レーヌの希少能力は予想以上に幅広さをもったものであって、大変ソウヤを楽しませた。
簡単にレーヌの能力をステータスで表すとこのような風になる。
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特殊能力…幻夢魔法
詳細…これは幻の夢…しか
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