第2章
1節―旅の中で―
レーヌ再会、大陸を渡る船にて
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――というもので、これは大変ソウヤを驚かせた。
「…新たな特殊の分別の二つ名、称号、職を覚えているな」
「……もう驚かないからな」
「そうですね…」
ソウヤは驚いているのに対して、エレンとルリはもうあたりまえのように感じ始めていた…慣れとは恐ろしいものである。
そのまましばらく沈黙が続くが、ルリが珍しく話を出した。
「そ、そういえばどんなものを獲得していたんですか?」
「二つ名が『英雄』、称号が『炎の剣帝』、職が『英雄戦士』だな」
「『英雄』…か。確かにソウヤにはお似合いかもな」
ソウヤはもともと目立つのが特に苦手だったので、エレンの言葉に思わず苦笑いを浮かべた。
昔からソウヤは学園生活…という名の日々を送っていたが、それが退屈で仕方がなくいつも孤立をしていたのだ。
目立たないようにわざと伊達眼鏡をして真面目君を演じてもいたので、高得点や高評価を貰ってもだれも相手にしなかった。
それで必要以上に現実での付き合いが出来なかったソウヤは、ついにMMORPGへと逃げ、そして楽しんだ。
ゲームの中ではコミュニケーションの上手い優しい青年を演じて、そして周りからも話しかけても普通になっていた。
だが、もうこの世界はゲームではない…だから――
「…『英雄』なんていう称号は俺には不釣り合いだ…」
――などとソウヤは口走った。
この世界はゲームではなく”現実”であり、今こそある程度ソウヤはコミュニケーション能力を身に着けている。
だが、それでも本来の『英雄』である強く弱き者を守る存在になれない自分は『英雄』ではないのだとソウヤは思う。
「俺は二つ名でなんと呼ばれようが俺の本性は”普通人”で充分なんだよ」
「…そうか。やはり考え方はお前らしいな。いつまでも自虐して、な…」
ソウヤはそのエレンの言葉には答えず、静かにベッドに横になりそっと目を閉じた。
「で、なぜお前がここにいるんだ」
「何故って言われても…ソウヤが気になったからよ。異世界人だとしても…ね」
ソウヤはそれを聞いて少し頭を抱えて唸りながら、目の前の椅子に座っているレーヌを見てどうしてこうなった…と思う。
始まりはソウヤが起きて少し経った頃時から始まって、目を覚ましたソウヤがそこら辺をぶらついていると、扉がノックされる音がしたのだ。
ソウヤはエレンとルリのどちらかかな、と思って普通に何も言わずに扉を開けたら…レーヌがそこに立っており普通に「おはよう」と言ってきた。
そのまま普通にソウヤの部屋に入っていき備え付けられた木の椅子に座り、今の現状に至る。
「……それだとしてもいきなり入ってくる奴がいるか?」
「
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