246部分:第二十一話 劉備、友を選ぶのことその七
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第二十一話 劉備、友を選ぶのことその七
「この程度!」
「けれど数が」
「案ずることはない」
趙雲もその手にある槍を振り戦っている。
「この程度の数ならどうということはない」
「ああ、そうだ!」
馬超も槍を次々に突き出している。
「こんな戦い西涼じゃいつもだったからな」
「例え敵が多くとも」
黄忠の弓が次々に放たれる。
「これ位なら敗れはしません」
「鈴々達は一騎当千なのだ」
張飛は暴れ続けている。
「だからこれ位は何ともないのだ」
「張飛ちゃん・・・・・・」
「真名でいいのだ」
張飛はここでこう劉備に返した。
「鈴々は共に戦う人には真名を預けるのだ」
「それでいいの?」
「いいのだ」
「そうだ、我等もだ」
「それは同じさ」
趙雲と馬超も言う。
「この真名預けよう」
「何時でも呼んでくれよ」
「はい、これも何かの縁です」
黄忠も応えるようにして言う。
「ですから」
「それじゃあ。今から」
「うむ、宜しく頼む」
関羽もここで言ってきた。
「これからは真名同士で呼び合おう」
「わかったわ。じゃあ愛紗さん」
「うむ」
「鈴々ちゃん」
また呼ばれる。
「星さん、翠さん、紫苑さん」
「うむ」
「ああ、いい呼び方だな」
「そうね」
「御願いします」
あらためての言葉だった。
「ここは」
「わかっている、それではな」
「気の済むまで戦いましょう」
関羽と黄忠が言う。彼女達は見事踏ん張りそのうえで袁紹、そして曹操の援軍を得た。これで何とか凌ぎきったのであった。
このことは曹操達にも伝わった。彼女達は夜にそれを聞いて満足した顔で頷いた。
「中々やるわね」
「いえ、私はそんな」
「いえ、見事よ」
天幕の中でだ。曹操は劉備に対して微笑んで述べていた。
「おかげで緒戦はものにできたわ」
「私は助けられてばかりで」
劉備は謙遜したままであった。
「ですから本当に」
「指揮官は自ら武器を取らなくていいのよ」
しかし曹操はこうも言うのだった。
「だからね。それでいいのよ」
「そうなんですか」
「その通りですわ。貴女は見事耐え抜きましたわ」
袁紹もいた。そのうえで劉備に対して言うのだ。
「その指揮で」
「指揮っていっても」
そう言われてもだった。やはり劉備には頷けるものがなかった。
「私はただいただけで愛紗さん達が」
「いや、私達もここまで満足に戦えることはなかった」
「その通りなのだ」
関羽と張飛もまた彼女に言ってきた。
「劉備殿がいてくれると何か違う」
「不思議と身体が動くのだ」
「ということはだ」
公孫賛も一応いる。
「桃香は人を動かす何かがあるのだったな」
「そうね。ただ」
「そういう貴女は
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