第2章
1節―旅の中で―
非日常という名の日常は…
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飯を食べたいのだが……?」
「あ、はい。わかりました。準備させますね」
「3人分頼む。いまから仲間を起こしにいくからな」
「分かりました」
船長はそういうとぺこりとこちらに頭を下げて、船の中に戻っていく。
また静かになった甲板で、ソウヤは1人で未だ薄暗い空を静かに数秒の間見つめて、そして船の中に入っていった…。
…私はどこにいるんだろうか…目の前が暗くて良く見えない。
そして目の前に広がる”あの”光景…人々はみな私を軽蔑の目でこちらを見つめて口を開ける。
『あぁもう。あの子早く死んでくれないかしら?』
『そうねぇ…。あの子が居るだけでこの国がすさんでしまうわ』
私はそれを聞いて、それから誰にも負けないようにずっと基礎練や魔物討伐を幼い私は続けた。
しかし、まわりの目線は今でも軽蔑の目線で…ずっと変わらなくて、二つ名を手に入れたのにそれでも軽蔑の目で見られて…。
そして…私のそばから…誰もいなくなった。
いや、もともと私のそばには誰もいなかった…そう、これからも…ずっと――――
「……ン…きろ……だ…」
うるさい…私に話しかけるな…どうせお前も軽蔑の目で見るんだろう…?
「エ…ン起き…朝…ぞ」
誰だ…本当に私から出ていけっ!目障りだ…どうせ…私なんて……………ッ。
「エレン起きろ朝だぞ!!」
その瞬間、暗闇が一瞬で消し飛び、そこには私に一切の負の感情を抱かない目をしたソウヤがそこにいる。
ソウヤの顔を見た瞬間、私は気が付いていたらソウヤを抱きしめていた…。
「エ、エレン。お…起きたか?」
後ろからソウヤの少し震えた声が聞こえてくる…きっと私の行動に困惑しているのだろう。
だが私はその腕を放すことは出来なかった…私の瞳はきっと、ソウヤが居る安心さで涙で溢れそうなのだから…。
そして初めて気が付いた…男の人の腕の中はこんなにもあったかくて、安心するのだと…。
「…すまないソウヤ。変な行動にでてしまって……」
「別に気にしてはいない。怖い夢でもみたんだろうしな」
ソウヤとエレンは、エレンの部屋から通路に出た。
それと同時にエレンはソウヤに抱きついたという行動に恥で頬を染めて謝ってくる。
ソウヤはそれに対して怖い夢でもみたという仮説を立てて気にしていないことを言い、エレンはそれを聞いて安堵した。
コツ…コツ…コツ……。
と気持ちのいい音を通路内に響かせながらソウヤとエレンはルリの部屋へ向かわんと通路に足を進め始める。
しばらく歩いていると、こちらへ向かうルリの姿をソウヤとエレンは確認出来た。
しかし、そのルリの行動が走っているというのにソウヤとエレンは気付き、2人は顔を見合わせてル
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