暁 〜小説投稿サイト〜
グランドソード〜巨剣使いの青年〜
第1章
4節―茨の旅の決意―
初めての依頼
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て「ギルド板を出してください」と言葉を発したのに気が付いて、その思考を止める。
 ソウヤとルリはそれぞれにギルド板をだして、受付嬢がそれに手を添えると一気にギルド板から少し眩しいぐらいの光が溢れだす。
 その光が収まったら、受付嬢は手を放して「終了です」と言った。

「『ラーズト・セズラクト』でこの依頼をしますか?」
「はい」

 受付嬢がそう問いかけてくるので、ソウヤは間髪をいれずに即座に頷いて答えた。
 そうしたら、受付嬢が「わかりました」と言ってからその依頼書を持って奥の部屋に引っ込んでいき、すぐさま帰ってくる。

「お気御付け下さい」
「ああ」

 ソウヤは受付嬢の言葉にうなずくと、ルリと共に外に出て門に向かって歩き始めた。




 ウルードベアはこの街を北門から出てそのまま西に歩くとある森の中に住んでいて、そのウルードベアは狂暴でよく人を襲う。
 その森までの時間は1時間ほどで、そこまでは比較的弱いモンスター、オンラビットという一角ウサギが生きている。
 その道のりをソウヤたちは楽々に進んでいく。
 横から一角ウサギが現れるがソウヤは鋼の剣を振っただけで一撃で沈むほどの弱さを一角ウサギは誇っていた。

「さすがにここら辺は弱すぎるな」
「そうですね…。なんだかある意味疲れます」

 ソウヤはルリの言葉にうなずくことで肯定する。
 もともと、ゲームの頃は一角ウサギは超初心者用のとても弱いモンスターだった。
 だが、その弱さとは違いにMMORPGならぬRを落とす金額も高いし比較的弱いので熟練度もあげやすく、そのおかげで初心者達はしばらくの間お世話になっていたモンスターだ。
 しかし、ソウヤたちは金には困っていないし、ソウヤも熟練度もある程度の―この世界の人たちから見ればチート級の―熟練度も持っているのでただの邪魔にしかならなかった。
 一角ウサギを殺しながら歩いているうちに、森の入口へソウヤたちはたどり着く。

「…なんか、森には嫌な思いでしかないんだけど…」
「どうしてですか?」

 ソウヤはルリの疑問に苦笑いで返す。
 初めの森は『瞬死の森』で、超高レベルな敵たちから逃げ回るというものを強いられ、次の森は本来なら60人強の人数で戦うはずの魔族を1人で倒すことになった。
 そんなトラウマの、不運の巣窟である森に対しては行きたくなくなるのは当然の結果だろう。

「まぁ……とにかく行こうか…」
「はい…?」

 ルリはソウヤの気合の下がり具合に疑問を持っていたが、ソウヤが先に進んでいくのであとを着けていく。
 森の中は良く生い茂っており、澄んだ空気が鼻を通る。
 森全体に木が生い茂っているので太陽光は木々によって遮られて、妙に心地良い感覚にソウヤとルリは捕らわれ、し
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