暁 〜小説投稿サイト〜
グランドソード〜巨剣使いの青年〜
第1章
4節―茨の旅の決意―
クラスC
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な男が経っていた。
 装備は『木製の長剣』に革系の装備を一式揃えており、静かにソウヤを見ていた。

「今回は僕が相手をする。よろしくね」
「お願いします…」

 ソウヤはそれだけ言って、腰に差してある2本の長剣のうち、1本だけ片手で抜いた。
 そのままソウヤは半身になり、長剣を地面と平行に立てるという少し変わった構えをする。

「では…はじめ!」

 その声を聴いた瞬間にソウヤは動き出す。
 いつもとは違い、重量をかけているはずだが、考えていたより重量がものすごく重たく感じたが、そのまま突撃して管理人の目の前まで詰めると、そのまま突きを放つ。
 しかし、それは管理人に避けられて管理人は下段からの切りを放った。
 それをソウヤは身体を捻って避けようとしたが、思うように身体が動かずに硬直してしまう。
 向かってくる長剣をソウヤは見て、身体に鞭を入れると無理矢理身体を反転させて横に転がる。

「君、さきほどの攻撃を見極めましたか…。さすがですね」

 ソウヤは管理人を見ながら何故だ…と思う。
 少なくとも重量的には簡単に操れるはずだ…とソウヤは考えてから思い当たる節があった。
 ソウヤはそうであるように…と祈りながら、未だ抜いていない長剣を鞘ごと落とす。
 すると、今までの身体の重さが嘘のように取れて身体が軽くなるのが分かった。

「…っ!」

 声のない気合を出して一気に飛び出して管理人に近づく。
 やはり、身体は元の場合より幾分も重たく感じるが、先ほどの重量より軽くなったようでさきほどより早く管理人に近づくことが出来た。
 そのままソウヤは長剣を横に払うように斬りかかる。
 管理人は先ほどよりも早くなった動きに一瞬目を奪われていたようだったがすぐに動き始めて、スローペースで近づく長剣を軽々しく受け流す。

「動きがまだ単純ですねっ!」

 管理人はそう言って長剣を中段に放ち、ソウヤは自らに向かう長剣を直視して、そして…飛んだ。
 ソウヤは自分と同じぐらいの高さで跳躍すると、蹴りを放つ。

「くっ!」

 管理人はその跳躍に驚いたが、そのまま半身になり蹴りをかわして長剣を上へと向かわせる。
 ソウヤはこちらへ向かってくる長剣を見ると、もとに戻してあった自分の長剣を放った。
 パンッ!と木と木がぶつかり合う音がすると、そのまま2人は鍔迫り合いに入る。

「はあぁッ!」
「ッ…!」

 鍔迫り合いは、やはりソウヤは体制が悪いせいか押せることは全くないが、それでも押されない。
 そのままそれが続くと思われたが、次の瞬間…ソウヤの口から放たれた言葉によって勝負は決した。

「…負けました」

 シーン…と一瞬にして静かになる闘技場、管理人も驚いてその場で固まっている。

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