暁 〜小説投稿サイト〜
グランドソード〜巨剣使いの青年〜
第1章
4節―茨の旅の決意―
港街ポールト
[6/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ラゴン10討伐ぐらいに相当するらしい。
また、ランクによって『ギルド板』の色が違うことや、依頼が失敗するとお金を取られる等々のその他の説明を受け終了した。

「ご質問等はありませんでしょうか」

 全てを聞いて、完全に理解したソウヤとルリは頷く。

「それでは、『ギルド板』認証を行います。触れた方の身体能力もその際に大体把握できますので、冒険者に本当に向いているかどうかお確かめください」

これは暗にソウヤやルリに、そのガタイで冒険者になるなと女性は言っているのだが、やはりというか2人とも気が付かない。
 というより、それどころではなかった。

“触れた方の身体能力もその際に大体把握できる”。
 それを聞いたソウヤは、急いで『ギルド板』を離そうとするがかなり遅かったらしい。
 触れた者…つまりソウヤの身体能力を把握した『ギルド板』が、そのまんまソウヤの桁外れの身体能力を堂々と表していたからだ。

 確認の為か、『ギルド板』を見ていた女性はそのあまりの桁外れの表示に言葉を失っている。
 それを見てソウヤは内心頭を抱えた。

 ―最悪…ではない。身体能力の数値は出ていないし、スキルも設定したメインスキルが表示されているだけだ。

 メインスキルは現在“戦士”なので、達人級だとしても修羅場を幾つか潜っていればここまでくるのも難しくない。
 よってここまでは“最悪”ではない、良くも無いが。

―ただ…。

 ただ、2つ名がドンとはっきり浮かび上がっていることは完全に最悪だ。
 この世界では2つ名はSランクでも得ていない者が多いほど、持っている人が少ない。
 そんなのがこんな青年から見られれば、驚くのも当然だ。

 受付嬢である女性はしばらくの間固まっていると、やっと状況を理解し始めたのかすぐさま対応を行う。

「しょ、少々おまちください!」

 そう言って受付嬢はソウヤに向け引きつった笑みを見せると、すぐさま奥の部屋に引っ込んで行った。
 ソウヤは本当に頭を抱えて、唸り声を小さく出す。

 そう、盲点だった。
 まさか簡易的とはいえステータスが現れるとは思いもしなかったのである。

 だがソウヤは2つ名を2つ持っており、そのうちの1つしか表示されなかったのは不幸中の幸いというべきだろうか。
 しばらくそうしていると、受付嬢が奥の部屋から慌てた様子で現れた。

「ソウヤ様、ですね。ギルド長がお呼びです、至急こちらに来て頂けますか」
「あぁ、構わない。連れも連れて行くが良いな?」
「はい。大丈夫です」

 そう言って女性は緊張した顔持ちでソウヤとルリを奥へ案内する。

 まさかこんなか細い青年が2つ名持ちとは、夢にも思わなかったのだろう。
 逆に心の中であんなに愚痴って大
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ