第四十話 神戸に帰ってその六
[8]前話 [2]次話
「けれど、なのよね」
「どうしても背が大きくならないのよね」
「三人共このまま?}
「小さいまま?」
「そんなことは言わないの」
お話していると落ち込んでしまうからです、今私達は長田名物のすじ肉のカレーを食べながらお話をしています。これがまた美味しいです。
「努力していれば絶対によ」
「背も高くなる」
「そうなのね」
「牛乳を飲んでいたら」
私は妹達に言いました。
「絶対に大きくなるから」
「そうよね、じゃあね」
「私達だって」
「大きくなるわ」
こう二人に言いました。
「絶対にね」
「そうなって欲しいわよね」
「心からそう思うわ」
「何か代々よね、私達って」
「背丈については」
「それは言わないの」
お母さんだけじゃなくてお祖母ちゃんもです、とにかく小さいです。皆大体一五〇位です。お母さんやお祖母ちゃんの姉妹までそうですから実は不安になります。
それで、です。私も口ではこう妹達に言いますが。正直心配でした。ですがお母さんは私達に言いました。
「そのことはわかるけれどね」
「それでもなの?」
「そう、言わない方がいいわ」
「そうなの」
「背のことは言っても仕方ないから」
だからだというのです。
「もう最初から言わないの」
「そうなの」
「まあ牛乳を飲んだりすることはいいことよ」
「背が伸びるから?」
「身体にいいからよ」
だからだというのです。
「そのことは確かでしょ」
「ええ、それはね」
私もそのことはよく知っています、だからこそよく飲んでいるということも事実です。健康第一ですから。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ