暁 〜小説投稿サイト〜
グランドソード〜巨剣使いの青年〜
第1章
3節―平穏を裂く獣―
強者と弱者
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った魂に何といえばいいのだ。

 その恐怖を知り、人を救うと約束したのだ。
 その悲哀を感じ、人を救うと約束したのだ。
 その慟哭を聞き、人を救うと約束したのだ。
 その暗闇を見て、人を救うと約束したのだ。
 そして――

 ――その巨壁を越え、人を救うと誓ったのだ。

 ならば、ソウヤに約束を違えるという現実はありえず、同時に誓いを捨てるという現実もまたありえない。

「が、ぁ…あぁあ!」

 体がだるい。
 体がおもい。
 体がつらい。

 意識がすぐに溶けそうだ。
 沼に入り込んだように、抗うことは難しい。

 それでも、全力でMPを注ぎ――

「…ぁ」

 ――ソウヤは奇跡を起こす。

「ソウ…ヤ君?ル、リ…?」
「義父様!」

 自身の父が目を覚まし、その事実にルリはその眼に涙を浮かべる。

「やった…の、か……?」

 ソウヤも、ソク老人が目を覚ましたことで安堵し――

「ソウヤさん…!」

 ――その意識を暗闇に落とした。

 ある事実に、胸を苦しめながら。
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