第1章
3節―平穏を裂く獣―
盗み、殺す
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の娘が危険なことを知り、ソク老人は這ってその男へ向かっていく。
あまりにも遅く、虚しい抵抗ではあったが――
「ッチ、うるせぇぞゴミ」
――バーサーカーと成り果てている男からしてみれば、十分イラつかせるのに十分であった。
地面を這っているソク老人へ近づいていく男。
その光景に耐えられず、ルリは口を開き止めるため叫ぼうとする。
「ま…って……!」
だが、それは肺の空気を殆ど全て吐き出されたルリにとって難しいこと。
懸命に声を出そうとも口から漏れ出るのは、掠れたような音にもならないものだけだ。
男は苛立ちをそのままに、後ろ腰にかけた短剣を引き抜くとそれを振り上げ――
「たす…け、て……」
「あぁ」
――耳を疑うほどの爆音とともに、それは降り立った。
掠れるように、絞り出すように紡がれた救いを求める声はある人物にだけ届く。
誰も聞こえるはずのない声は、超強化された聴覚には届いていたのだ。
「助けに来たよ。ルリ、ソクさん」
「ソ…ウヤ、さん……」
その声に頷き、降り立つのはソウヤ。
――“巨剣”を手に、復活した“均等破壊”のソウヤだったのだ。
一瞬にして5人の部下を全滅させたソウヤは怒りを燃やす男に向けて、殺気を飛ばす。
「お前は絶対、許さねぇ」
「あ…?なめてんのか糞野郎、ぶち殺すぞ」
煽られたことで更に怒りを燃やし、最大限にまでステータスを強化する男。
それを見て、ソウヤは崩壊する家を気にせずその巨剣を振り上げた。
希少能力同士の戦闘が今、始まる。
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