第1章
2節―狂炎と静炎の円舞―
殲滅戦の果てに
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「がっ」
地面を何度も削りながら失速するソウヤに、さらに追加で業火がこれでもかと襲い掛かる。
―避けられ…ねぇ!
咄嗟にソウヤは巨剣を盾とすると、業火に直撃した。
連続で爆発が起こり、周り一帯が焼け野原となって周りにいた魔物が一瞬にして全滅する。
「ぐ…うぅ……!」
それでも、ソウヤはまだ生きていた。
「あら、耐えきったの。貴方、本当に妖精?」
「あいにく、そこらの妖精とは違うんだよ…!」
身体がボロボロになりながらも、ソウヤは何とか立ち上がると自身に回復をかける。
微弱ながらHPが回復すると巨剣を両手で構えた。
―ここまでやるのか、シュリードは…!
ソウヤが突撃することも見越して、あの業火の球をもう一つ残していたのだろう。
こんなことをしでかす相手でも『軍勢の期』最弱のボスなのだから笑えない。
ソウヤは巨剣を後ろに構えると、突撃する構えを見せる。
―普通にやっても勝ち目がない。なら、一発勝負を決めるしかない…!
「あら、一発勝負でも決める気かしら?ふふ、いいわ乗ってあげる!」
シュリードは、ソウヤの構え1つで全てを察すると両手に今までには無いほどの魔力を集めていく。
そして生み出されたのは片方に巨大な竜巻、もう片方にこの世の地獄にも思える圧倒的な熱量を持つ業火。
単体でも圧倒的な火力があるであろうそれを、シュリードは“くっつけて”みせた。
妖艶に嗤う美女は、その魔法の完成を高らかに叫ぶ。
「燃え盛りなさい業火!『極熱業火』!」
あまりにも圧倒的な熱量の竜巻に、ソウヤは挫けそうになる。
だが、止まることは許されない。
――あの場所を、護るために。
「斬り燃えろ地獄炎!『地獄炎剣』!!」
ソウヤが生み出したのは、地獄の炎。
燃えぬものはなく、決して消えもしない。
ただ、永久に全てを焼き尽くす炎の剣。
「…走れ電光、『雷瞬速』!」
次に纏うは電光。
圧倒的な速度を持つ電撃の如く、ソウヤはシュリード目掛けて飛び出す。
「燃え咲け!」
「燃え斬れ!」
目の前にあるは極熱の業火。
その手にあるは地獄の炎剣。
種類は違えど、それは両者にとって最強の炎。
巨大なエネルギー同士が今、ぶつかる。
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