第1章
2節―狂炎と静炎の円舞―
殲滅戦の果てに
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だ瞬間にソウヤは地面に落ちているグラギフトを回収し、肩に担いだ。
―敵、かなり多い…。大体これで4000は削れたと思うんだけど…。
しかしそれでもまだ6000はいる。
その現実にソウヤは表情を苦しくせずにはいられない。
よくアニメや漫画では主人公や師匠が大量の敵と対峙し圧倒的な無双を行うが、それはあくまでも創作物の中での話だ。
ソウヤも大分無双はしているが、状況は一向に良くならず逆に悪くなる一方である。
あくまでも、現実の戦いの基本は“質より量”なのだ。
―このままだと、消耗しきってやられる…よな。
だがソウヤは正直あと6000の魔物の集団を蹴散らせる自信がある。
それでも“殺られる”と判断しているのは、この大量の雑魚戦の後に――
「――ッ!!」
ソウヤはスキルの“危険察知”の警報が鳴りまくった瞬間に、その場から大げさすぎるほどに飛び上がり距離を取った。
次の瞬間、巻き起こるのは灼熱の業火の嵐。
敵味方関係なく全て、骨の髄まで焼き尽くす炎で周りが焼き尽くされる。
「あら、珍しいわね。死角からの攻撃で完全に避けられるなんて」
「でやがった、な…!」
――この大量の雑魚戦の後に、ボスが現れるからだった。
妖艶な服装を身に纏った“身長7m以上”の悪魔の翼を生やした女性は嗤う。
その両手に、溶岩をも超える業火を宿しながら。
「シュリード…!」
「あら、私の名前を知ってるの?なら、早いわね」
妖艶な美女はそう言ってクツクツと嗤うとその巨大な胸を強調するように、腕を組むと――
「私は、上級魔族の一人。『業火の妖女』のシュリード。よろしくね、非凡な妖精さん?」
――空からさも当然化のように業火を生み出し、次々にソウヤへ発射する。
それを見たソウヤは、手に持つ巨剣でその業火の嵐を吹き飛ばすと同時にシュリードの元へ吹き飛んだ。
飛び出した次の瞬間には、先ほどまでソウヤがいた場所は10個もの業火で焼き尽くされガラス状になっている。
―流石フルレイドでもほぼ壊滅状態にまで陥れられた、αテストのボス…!
『軍勢の期』には、3ヶ月に1回…つまり3回に1回『軍勢の期』にプラスしてボスが追加される。
ボスを倒せば問答無用に『軍勢の期』が終了する代わりに、そのボスがすさまじく強い。
αテスターの話によると、ギリギリ3人の時に倒せたらしいから、凄まじさがよくわかる。
「らぁっ…!」
ソウヤは巨剣のリーチギリギリで振り上げると、全力の一振りをシュリードへ振るう。
それを見たシュリードはそれに驚き――
「凄いけれど、甘いわね」
――唐突にソウヤは何かに吹き飛ばされた。
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