第1章
2節―狂炎と静炎の円舞―
人里へ
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異端か…。
内心でそう判断すると、ソウヤは頷いた。
「はい、そうですよ。エレンさんは?」
「こちら側だ」
まぁ、ソウヤもエレンが自身のことを“異世界人”と呼んだので、大体察せることであったが。
話すことがなくなったソウヤは不意にエレンやほかの騎士の背中にある羽を視界に入れる。
他の種族よりも2回りは大きい羽。
それを見たソウヤはとあることを思い出し、世界の情勢をある程度しっているであろうエレンに聞くことにした。
「シルフの“異世界人”は、あんまりいなかったんですよね?」
「ん?あぁ…確かにそうだな、ほかの種族に比べて“異世界人”の数はかなり少ないと報告であった」
やっぱり…と、ソウヤは思う。
風魔法が得意と言われている“風の妖精”は、αテストではかなりの不評を浴びていた。
「魔法がエルフに比べて弱い」、「詠唱時間が長すぎ」、「撃たれ弱い」等々の理由があったからである。
だが、“完全成長制”を確立できた人がこんなところで凹凸をつけるはずがないと、ソウヤは思っていた。
だから、ソウヤは一番の違和感である“羽”についてエレンに問う。
「シルフってほかの種族と違って羽が大きいですよね?何か理由が…?」
「あぁ、そういえば“異世界人”は元々全く違う種族だったらしいからな、知らないのも仕方がない」
エレンはそう呟き勝手に納得すると、自身の大きな羽を指す。
「シルフはほかの種族よりも羽が大きく、また風を扱うのが得意な人種でな。それにより“空を飛ぶこと”が出来るんだ」
「……えっ」
他の種族を超える圧倒的なアドバンテージに、ソウヤは絶句する。
“空を飛べる”ということは空中で敵を相手にできるということで、それは遠距離から攻撃してしまえば確実に勝てるということだ。
だが、それを言ったエレンは「だが」と続ける。
「飛ぶのは常にMPを持っていかれるし、他の種族も風魔法をある程度習得したら出来るようになるからな、あまり凄いというわけでもないさ…と、着いたな」
エレンの言葉で、すっかり周りのことを放っていたソウヤは自分が黄金で飾られた巨大な扉の前にいることに気が付いた。
3m以上はある巨大な扉にソウヤが驚いていると、エレンが扉の前で警護していた兵士たちに声をかける。
「エレース近衛騎士団団長のエレン。只今帰還した、扉を開けよ」
「「はっ!」」
見る限りかなり重そうな扉が兵士二人掛かりで開かれる。
その扉の先には、見るだけで目が痛くなるほどの黄金で装飾された巨大な部屋が存在していた。
「ソウヤ殿、着いてきてくれ」
「は、はい!」
エレンはソウヤにそういうと、顔をまっすぐ向けたまま完璧な歩き方で部屋に入っ
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