第1章
1節―プロローグ―
初ボス
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ル》”!!」
ソウヤがそう叫ぶと、巨剣が一気に重量を増し持つのが辛くなる。
だが、この姿勢をなんとか保つと巨剣に風がまとい始め独自の刃を形成していった。
結果的に8mはあろう巨大な風の剣が形成される。
「い、けええぇぇぇ!」
声が枯れるのを構わずにソウヤは叫び、離れかけていた巨大ザルの瞳に向けて全力の突きを放った。
皮膚とは違い、すんなりと瞳を刃によってつぶされる。
「ウキャアアァァァァッ!!!」
甲高い超音波のような叫び声を巨大ザルがあげる。
紫の血が飛沫をあげ体中を汚していく。
巨剣を纏った風の刃が自身の身体を傷付けていき、HPも2割を切っていた。
――だが、しったことではない。
ソウヤは限界ギリギリまで巨剣を伸ばすと、枯れた声を振り絞り小さく呟く。
「“解き放つ風の刃”…!」
巨剣を纏っていた風の刃が今、巨大ザルの中で解き放たれた。
目の奥は脳に近く、暴発した風の刃が一瞬して――
「…ッ!!!!!」
――巨大ザルの脳を内側から吹き飛ばす。
声のない叫びをあげて、巨大ザルは絶命した。
「終わった…のか」
ソウヤは枯れた声でそう呟くと、体中の力が抜けたようで地面に落下する。
血の海に思いきり落ちるが意識が朦朧としているソウヤには関係がなかった。
―回復だけは…しない、と……。
「“ハウ・ルーチェ”…」
自身の身体になんとかソウヤは回復を施すと、意識を失う。
――残り4割のHPと1割以下のMPを見ながら。
「勉強に関しては心配してないわ」
「お前は頭がいいからなぁ」
やめろ、期待するんじゃない。
「なによこれ!学力は、問題ないと思っていたのに…」
「もっと真面目に勉強するように」
ほら、期待するから失望する。
「もう駄目ね、転校しましょう」
「高望みしすぎたのか…」
そうだ、そのほうがいい。
「これだからガリ勉は」
「付き合い悪いもんな、あいつ」
結局、こうなる。
結局、誰にも好かれない。
結局、誰も幸せにならない。
――なんで、俺は生まれてきたんだろう。
「ここ、は…」
――最低な夢を見た。
あのころの夢なんて、悪夢以外の何物でもない。
「森の中…か。気絶してた時魔物に襲われなかったんだな」
ソウヤは頭を振ると、あの夢のことを忘れようとする。
未だに痛む体を何とか鞭打ち、固まりかけている血の海から起き上がると巨大ザルに体を預けた。
「…気絶してから、どれだけ経ったんだろう」
巨大ザルに出会ったのが昼ごろで、今は日が暮
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