第1章
1節―プロローグ―
初ボス
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攻撃が重たすぎるッ!!
ソウヤは空中で体制を整えると巨剣を握りしめ、体を回転させながらその勢いで横薙ぎを行う。
「な…!?」
「ウキィィィッ!」
全力とは行かずとも、勢いに乗ったその攻撃は巨大ザルの皮膚を貫通することなく、一滴の血もこぼさない。
驚きを隠せないソウヤに巨大ザルは待つはずもなく、まともに巨大ザルの攻撃を食らった。
「がっ…!?」
この異世界に来てから初めての直撃に、ソウヤは体中の空気抜ける感覚に襲われる。
体中が悲鳴を上げていた。
―HPが半分持って行かれた…!?
今までにない危機感がソウヤを襲う。
体中から汗が吹き出し、恐怖に包まれようとしていた。
「巨剣使いの全ステ10倍でも、こうなるのか…!」
ソウヤは頬に伝う汗を拭うと、痛みに耐えながら立ち上がる。
そこには巨大ザルが余裕そうな表情で鎮座していた。
―皮膚じゃ、駄目だ。もっと貫通しやすいところを狙うべきなんだ。
ここは異世界。
少なくともソウヤはそう認識していた。
ステータスなどはすべてシステムによって管理されているが、ここは現実とほとんど変わらない。
―なら、狙うべきは“目”!
ソウヤは“肉体強化”を使用すると、爆発的な加速で巨大ザルに近づく。
「ウッキィィイイ!」
巨大ザルは嘶くと、右手の拳を近づくソウヤに振り下ろす。
せまる巨大な右手を尻目に、ソウヤは呟いた。
「“縮地”」
振り下ろされる瞬間にソウヤの姿は掻き消え、巨大ザルの目の前に姿を現す。
“縮地”。
“体術”スキルの熟練度が中級となることで獲得した“技”である。
一瞬だけその身を掻き消し、半径5m以内のどこにでも出現できる“技”だ。
大分強い“技”であるが、その分“技”を行う際に発生する停止時間がかなり長いのが欠点である。
また、“技”とは“職業能力”や“特徴能力《サブスキル》”の熟練度を上げることで得られる独自の行動である。
“体術”では現在は“正拳付き”や“縮地”を上げられ、一度宣言すると半自動的に行動してくれるかなり使いやすいものだ。
“技”と似た分類は“魔法”であり、これも“○魔法”などのスキルの熟練度を上げると得られる独自の方法である。
その“縮地”により、屈んだ巨大ザルの顔にまでソウヤは一瞬で現れると長めの停止時間に襲われた。
―早く、早く…!
その時間のうちに巨大ザルは自身の危機を察知し、振り下ろした右手を振り上げそれと同時に後ろに下がろうとする。
だが、その瞬間ソウヤも動けるようになっていた。
すぐさま巨剣を大きく突きの構えにして叫ぶ。
「“|纏う風《ゼーサド・スタ
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