第1章
1節―プロローグ―
Fairy The World ―妖精世界―
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也はまだ見ぬキャラ作成の詳細を頭に思い浮かべ始めた。
―どうしようかなぁ…。やっぱ戦士系にしようかな、あんまり手先器用じゃないから細かい操作できないんだよねぇ…。でも――
と、深い思考の海の底に落ちていると軽快な電子音が鳴りインストールも終わったことを知らせる。
時間を見ると12時37分。
本当に時間が少なくなっているので、蒼也は焦ったようにゲームを起動しキャラ作成を行い始める。
「まずは名前、えっとこれは…っと」
またもや予め決めてあった名前を入力する蒼也。
次に現れたのは種族設定だ。
“FTW”には“Fairy”と付くだけあり、種族はすべて妖精である。
「種族の選択によりプレイヤーの遊び方が変わる」と言われるほど、種族間の差はあまりにも大きい。
“木魔法”を最初から扱え、魔法がかなり得意な 木の妖精
“風魔法”を最初から扱え、魔法も物理もある程度こなせる“風の妖精”。
“炎魔法”を最初から扱えるが、魔法がかなり苦手で物理盾に特化した“炎の妖精”。
“水魔法”という回復を中心とした魔法を最初から扱える回復役の“水の妖精”。
“地魔法”を最初から扱えるが、それよりかは速度を重視した物理攻撃に特化した“地の妖精”。
“鋼魔法”という鍛冶・錬金に特化した魔法を最初から扱え、全ステータスが平均的に上がる“鋼の妖精”
もちろん、種族ごとに適したスキルはあれどそれに固執する必要はない。
現にテスター達もエルフでタンクをしていたりする人も結構いることを蒼也は知っている。
だからこそ――
「まぁ、これでいいかな」
――何も決められていなかった蒼也はヒューマンを選択した。
ステータスが平均的に伸び、また錬金・鍛冶が行えるヒューマンはやるプレイングの指向性が決まっていない人、またはソロなどで遊ぶ人には持ってこいの種族だと言えるだろう。
―次にキャラ作成を行います。あなたの身体情報を元に作成しますのでご了承ください―
「……は?」
システムの文章の意味がよくわからず、思わず間抜けな声を出してしまう蒼也。
だが、それに機械が待つはずもなくすぐさまヘルメットから青い光の線が蒼也を包み込む。
「っ…!」
現代にはあまり見られない光の光景に、蒼也は声の出ない悲鳴を上げる。
青い光の線が消えた後、パソコンの画面に現れたのは蒼也とほぼ瓜二つの青年だった。
違う点があるとするならば、背中から黒く半透明の羽を生やしているのと耳が三角形に尖がっていることだろうか。
ナチュナルショートヘア、と呼ぶべき至って普通である黒
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