第1章
1節―プロローグ―
Fairy The World ―妖精世界―
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を行えば徐々にスキルの熟練度が上がることでステータス等々が上がる。
レベルが存在せず、文字通り何かしらの“経験”を得られれば自身のステータスも徐々に上がる。
そうやってプレイヤーが成長していくシステムのことを“完全成長制”と人々は呼んだ。
昔から数多くあるゲームの中に“完全スキル制”というスキルの熟練度によりステータス等々が上がるのみのゲームもあった。
だが、経験により徐々にステータスが上がるゲームはほとんど存在しない。
何故なら“あまりにバランスがとりにくい”からだ。
少しでもバランスが崩れれば一瞬でゲームが崩壊する。
そんなあまりに難しい天秤を、このゲームの作成会社はやってのけた。
グラフィック神、(見た目に反して)低スペック、ゲーム制完璧。
そんなゲームに人気が出ないはずがない。
月額制の有料ゲームだったが、それでも欲しいと思う人は多くいたのは当然であった。
そんなゲームに、またこの青年は惹かれていたのだ。
何故か予約がないし、しかも初日に発売するのは全国で10万本。
青年の近くのゲームショップでも、5000本しか発売しなかった。
そんな状態に軽く青年は絶望し、辛うじて夏休み中だったので初日発売から何日も前から並びギリギリ13本前に購入できたのである。
そして今、先ほど家に帰ってきた青年は意外と大きい箱を身体に抱え、老人のような疲れたため息をこぼした。
時間を見てみれば、11時28分。
“FYW”が始まるのは13時ピッタリなので、ダウンロードなどの時間を考えればあまり時間がないことを知る。
―時間までに、初期設定済ませないと。
青年は大きく伸びをすると箱を開いて、中身をばらす。
中に入っていたのは主に2つ。
“FTW”のパッケージ。
そして、頭をすっぽり覆うヘルメットのような装置。
中にある説明書を読むと、キャラ作成に必要な装置らしい。
配線が意外と面倒だったが完了すると、説明書通りにヘルメットを被る。
そして、パッケージを開け中のCDを読み込みさせると初期設定画面が現れた。
「メールアドレスにID、パスワード…ね」
そう呟きつつ、予め決めてあったものをさっさと入力したりして、初期設定を済ませていく。
「ん?本名入力の下に米印…?」
『※本名を必ず入力してください。ゲームが正式始動しなくなる可能性があります』
何それ怖…と青年は思いながら本名を入力する。
「斑斗蒼也っと」
そのまま青年…蒼也は初期設定を行っていくと、ダウンロードが始まった。
「1時間かぁ…」
蒼也は意外と普通なダウンロード時間を確認すると、大きく伸びをする。
その間に、蒼
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