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とある科学の傀儡師(エクスマキナ)
第83話 待つ
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元の砂鉄となって崩れてしまった。
「待つね......それはそれで退屈な訳よ」
「停電だけでも超なんとかなりませんか?」

と席に戻るフレンダと絹旗を尻目にフウエイは納得出来ないように腕を組んで考え事をしている。
「どうかしたの?」
「......パパって人を待つのも待たせるのもキライだって言っているのに......なんでだろ?」

******

突然で誠に恐縮ではございますが、皆様はキャッシュカードをご存知でしょうか?
主にATMに預けたお金を引き出す時に必要になりますが、親元を離れた一人暮らしの学生や働いている社会人に取っては不可欠なツールですよね。
そのお金で食料品を買い込んで、日用品を買ったり、服を購入したりと無くてはならないものです。
正に生活していく為の生命線となるものですが、ある日突然使えなくなったら大変です。

例えばですけど......
今日は特売だー!洗剤も安い!
トイレットペーパーが切れていたな
高級松阪牛がなんと半額!
と今朝の広告を手にしてランランルー気分で軍資金を引き出そうとキャッシュカードをATMに入れて、慎重に暗証番号を入力した後に......大規模な停電があって機械が反応しなくてお金は出ず、キャッシュカードすら戻って来なくなったらどうするだろうか?

「かつてないほど最悪のタイミングの停電......不幸過ぎる」
逃げ惑う人でごった返す中でキングオブ不幸の名を欲しいままにしている『上条当麻(かみじょうとうま)』は応答しなくなった画面を血相を変えて叩いていた。
「頼むからー......バタバタ人が倒れているんだけど。カードだけでも吐き出してくれよ」

もちろん彼だってお金よりも命の方が大事である事は重々承知している。
しかし人々はなぜか倒れていくのか分からず、何処に逃げれば良いかも分からない彼は様子見を決め込んでATMから動かなかった。
何度も逃げようと思ったが最後にした行動が二の足を踏む要因となっている。

「暗証番号入れた後だからどうなるんだ?......停電が直ったら金額引き出す所から始まっていたらシャレにならねーよ!返してくれよぉぉー!頼むから!」
キャッシュカードを人質に取られた、かくも哀れな上条は軽く自分の境遇を悲しみながら痛みを自重した拳を振り上げていく。

そこに上空から影がぼんやりと浮かぶと段々と時間に比例するかのように濃くなり、上条の頭に黒いナース姿のツインテール少女が着地した。
「どわがっ!?」
「やっと見つけたぜ」
「??」
「さて少し面を貸して貰うぞ」
しこたま打った頭を摩りながら上条が屁っ放り腰のまま見上げると紅い瞳をした少女がやれやれと腕を広げた。

あのー
どういう訳か分かりませんが上条さんはこの明らかに歳下の女性
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