相反する二人
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る四人。だが、それは二人の竜からすれば、願ったり叶ったりの展開なのかもしれない。
「これにグラシアンがいれば、完璧だったな」
「あいつにはあいつにしかできないことがある。ここは俺たちだけでやるしかない」
息ピッタリで魔力を高めていく二人。次第に彼らの魔力が高まっていくと、それぞれの体を白と黒のオーラが包み込み、顔にはドラゴンの鱗が姿を見せる。
「ほぅ・・・あれは・・・」
「ドラゴンフォースか」
太古の世界を支配したドラゴンと同じ力を得ることができるというドラゴンフォース。それを、第三世代の滅竜魔導士は、自身の力で解放することができる。
「行くぜ!!ローグ!!」
「あぁ!!」
ドラゴンの力を得た二人が全速力で敵に突っ込んでいく。その速度は先程よりも速くなっており、一瞬のうちにエーメとネイモンの目の前に到達する。
「なっ!?」
「速い!!」
あまりの速度に驚愕する二人。その二人の腹部に、白と黒の拳がそれぞれ突き刺さる。
「「ぐっ!!」」
アッパーパンチだったため、宙に体が浮き上がる。そのタイミングで、二人の竜はサイドから蹴りを放ち、二人を強く叩き付ける。
「白竜の・・・」
「影竜の・・・」
「「咆哮!!」」
そのまま二人息を合わせてブレスを放つ。それは、敵を瞬く間に飲み込んだ・・・かのように思えた。
「甘いな」
「「!!」」
敵に直撃するはずだった攻撃が、真っ二つに分裂し、二人の脇を抜けていく。
「魔法が・・・」
「斬られて・・・」
通常ならあり得ないような出来事に目を疑わずにいられない。驚愕していると、難から逃れた二人がスティングとローグに攻撃を繰り出す。
「ぐあっ!!」
「くっ!!」
ネイモンの人差し指とエーメの光の剣が二人の腹部に突き刺さる。その一撃の重さに、二人は倒され、尻餅を突く。
「私の剣は全ての魔法を切り裂くことができる。貴様ら魔導士の難敵というわけだ」
剣先を構えるエーメがローグを見下ろしつつそう告げる。だが、信じられないことにローグはその剣を掴み、立ち上がる。
「悪いが、その程度で引くつもりは一切ないぞ」
手から血を滴らせつつポニーテールの女性に顔を接近させ睨み付ける。その表情には、負けるわけには行かないと言う強い気持ちがにじみ出ていた。
(ここら辺でいいか)
かつての仲間を脇に抱えて城の敷地の中でも、より人のいないところへとやって来た幻竜。彼はそろそろいいかと立ち止まると、抱えていた女性をその場に下ろす。
「あれ?ここでいいの?」
「あまり離れすぎると何言われるかわからないからな」
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