相反する二人
[1/5]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
ドゴォン
メルクリアスの後方でぶつかり合っている炎と氷。リーゼントヘアの男は炎で足場を作ると、剣を作り出し地上にいる銀髪の青年へと突進してくる。
「アイスメイク・・・ドラゴンフライ!!」
それを見てリオンは無数のトンボを作り出し、クレサン目掛けて打ち込む。地に足をつけていない彼は、それを回避する術はない。
「甘いな」
だが、そんなことは彼も承知の上。炎の剣を強く握り締めた彼は、顔の前にそれを構え、自らの体に向かってくる氷の造形から身を守る。
「ハッハーッ!!」
「がはっ!!」
全ての攻撃を防ぐことはできていなかったが、急所を突くものだけは見事に防いだクレサンは、敵の腹部を突進した勢いそのままに切り裂く。
「まだまだぁ!!」
「やらせるか!!」
続いて攻撃を繰り出そうとするリーゼントに、振り向き様に氷の虎を打ち出すリオン。それによりクレサンはバランスを崩し、転倒する。
「アイスメイク・・・」
「!!」
転倒している男の上から、氷の造形を放とうと飛びかかる。
「大鷲!!」
「ぐはっ!!」
上から巨大な鷲の強襲に思わず吐き出しそうになるクレサン。腹部を押さえ起き上がってこれない彼を見た青年は、地面に着地しつつ敵を見下ろす。
「レオンがやられたと聞いたからどんなもんかと思っていたが、単に敵が多かったからか」
聞いたところによると、自身のいとこが相手をしたのは四人との話だった。少年は敵が多かろうが苦にしないほどの力はあるが、今回は疲労も重なり思ったように戦えなかったのだと青年は結論付ける。
「ナメるなよ」
一人で納得していたところ、相手の男がフラフラと立ち上がり、両手を合わせる。
「俺とお前なら、俺の方が有利なんだよ!!」
そう言って炎の鷹を作り出し、氷の造形魔導士を攻め立てようとする。
「有利とかそういうのを考えてる時点で、お前の負けなんだよ」
しかし、青年は軽く腕を振るうと、炎の造形はあっさりと凍りつき、やがてバラバラに砕け散る。
「バカな・・・炎が凍らされて・・・」
本来ならあり得ないような光景に目を疑うクレサン。冷や汗が背筋を流れる彼を見て、リオンは服を脱ぎ捨てる。
「造形魔法は自由の魔法。全ては術者の思うがままにできるんだ!!」
全身から溢れだす魔力。その冷気は強く、周囲を凍てつかせる。
「氷刃!!白鳥ノ翼!!」
「がはっ!!」
無数の翼の形をした氷の刃が、炎の造形魔導士の体を切り裂く。多方向攻撃を受けたリーゼント頭の男は、力尽き、その場に崩れ落ちた。
「呆気ないな。まぁいい」
周囲を見回し、現在の戦況を確認するリオン。王国兵と暗殺部隊たちは拮抗しているように見え
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ