238部分:第二十話 公孫賛、気付かれないのことその十四
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第二十話 公孫賛、気付かれないのことその十四
しかしだ。ここでだった。
関羽がだ。夏侯惇と夏侯淵に話すのだった。
「あの方は本当に幽州の牧なのだが」
「本当にそうなのか!?」
「初耳だぞ」
二人も知らないことだった。どちらも驚きの顔になっている。
「幽州にも牧がいたのか」
「そうだったのか」
「私は前から知っていたが」
「大将軍はこのことを御存知だろうか」
「いや、おそらく知らないだろう」
夏侯淵はこう姉に返す。
「我等も麗羽殿の家臣達も誰も知らなかったのだからな」
「そうだな。それではとてもな」
「知る筈がない」
こう結論が出された。
「とてもな」
「我等も知らなかったしな」
「しかし。関羽殿は嘘はつかない」
夏侯淵はこのことは断言できた。
「決してな」
「ではやはり」
「そうだ、間違いなく幽州の牧だ」
こう姉に断言する。
「私も今までそんなものがいるとは知らなかったがな」
「おい、待て!」
いい加減公孫賛も切れてきていた。それで夏侯惇達に抗議する。
「私は何だ、未確認動物か!」
「未確認動物?まあ言われてみれば」
夏侯惇もそれを否定しようとしない。
「それに近いか?」
「姉者、幾ら何でもそれは酷いぞ」
「しかし私達の誰も知らなかったんだぞ」
「そうだな。申し訳ないが私もだ」
夏侯淵は少し済まなさそうな顔をしている。
「それはだ」
「全く。私は何なのだ」
「まあそう言わないでくれ」
ここで関羽が公孫賛を慰める。
「皆悪気はないのだ。許してやってくれ」
「悪気がないのはわかる」
それは彼女自身が最もよくわかっていた。しかしだった。
「だがそれでもだ」
「まあ今はだ」
「うむ、今は」
「飲まないか?」
微笑んでの提案だった。
「よければな」
「酒か」
「そうだな。よければ私もだ」
夏侯淵も名乗り出た。
「一緒に飲ませてもらえるか」
「貴殿もか」
「折角だからここで親睦を深めたい」
申し訳なさそうな微笑みを浮かべての言葉だった。
「だからな」
「わかった。それではな」
「それでいいな」
「うむ、頼む」
公孫賛からも言う。そうしてだった。
彼女達は飲むことになった。夏侯惇も一緒である。しかし彼女はというと。
「そうだな、次はそれを歌うか」
「春蘭様って歌大好きなんですね」
「うむ、大好きだぞ」
こう一緒にいる許緒に答える。許緒は相変わらず食べてばかりだ。
「子供の頃からよく歌っていたものだ」
「そうだったんですか」
「華琳様もよく褒めて下さってくれる。麗羽殿のおひねりの銭が頭にぶつかったこともあったがな」
ここでも袁紹はやらかしていたのだった。
「それでもいい思い出だ」
「そうで
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