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英雄伝説〜灰の軌跡〜
外伝〜メンフィル・エレボニア戦争の和解調印式〜 第7話
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〜グランセル城・会議室〜



「シルヴァン陛下。第六条の説明をして頂く前に、何故今回の和解調印式に両帝国の戦争とは無関係である内容を第六条にしたのか、詳細な説明を私達―――――リベール王国にして欲しいのですが。”百日戦役”の講和条約として”ハーメル”の件を一切沈黙する事を我が国が合意した事を貴国もご存知であるのに、何故12年も経った今になってあの件を白日の下に晒そうとされているのですか?」

「お祖母様………」

「陛下……」

「………………」

静かな表情で質問するアリシア女王の様子をクローディア姫とユリア准佐は辛そうな表情で見つめ、カシウスは真剣な表情でシルヴァン達を見つめていた。

「”百日戦役”の仲介をし、講和に立ち会った七耀教会としても女王陛下と同じ意見です。もし”ハーメル”の件を白日の下に晒せば、エレボニア帝国だけでなく、リベール王国にも大きな混乱が起こる可能性があるのですぞ。」

「エ、エレボニア帝国だけでなく、リベール王国にまで混乱が……!?」

「あの……そもそも第六条に記されている”ハーメルの惨劇”とは一体何の事なのでしょうか?”パンダグリュエル”でわたくしを捕縛したレン皇女殿下はその”ハーメルの惨劇”という出来事が”百日戦役の真実”と仰っていましたが………」

アリシア女王に続くように口を開いたカラント大司教の話を聞いたダヴィル大使は信じられない表情をし、アルフィン皇女は困惑の表情をしていた。

「え………」

「………御二方は”ハーメルの惨劇”についてご存知ないのですか?アルフィン皇女殿下はまだわかりますが、ダヴィル大使もご存知ない事は少々おかしいかと思われるのですが。”百日戦役”終結の為の講和条約式の際にもエレボニア帝国の大使がエレボニア帝国政府を代表して講和条約に調印したと伺っておりますし………」

「いえ、私がグランセルの大使館に務めるようになったのは”百日戦役”が終結した直後でしてな。前任者からの引継ぎは”百日戦役”の講和条約の調印式が終了した翌日からだった為、お恥ずかしながら”百日戦役”の講和条約の詳細については存じていないのです。」

二人の様子を見たクローディア姫は呆けた声を出し、エルナンの質問にダヴィル大使が戸惑いの表情で答えた。

「――なるほどな。アリシア女王、クローディア姫。第六条の説明の前に”ハーメル”の件を何も知らない二人に”百日戦役の真実”を教えるべきだと思うのだが?幸いにも二人はエレボニア皇族と大使なのだから、当然”ハーメル”の件についても知る権利があるしな。」

「それは……………」

「…………………………わかりました。御二方共気をしっかり持ち、お聞きください――――――」

シルヴァンの正論にクローディア姫が複雑そうな表情
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