全ては皆の笑顔のために
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するつもりだチャンピオン。事ここに及んでそんな画面越しに娘への言葉をかける気か?弁明があるなら、もはやお前が直接打って出るしかないと思うが」
「ドラコッ……!あなた、最初から私達がこうなるとわかっていて……!!」
ドラコの言い方はやはり半ば正解だと認めていた。そのことにアルカが激昂する。アルカからしてみれば、失敗すると分かっている計画に自分から飛び込んできたのだから。飛んで火にいる夏の虫どころか、獅子身中の虫に他ならなかった。その上で、アルカを助けろなどといけしゃあしゃあと言われていたと知って平気でいられるはずもない。
「そうだな。今までご苦労だった。さて……」
画面の中の父親も、ドラコに対する労いが含まれていた。直後画面が真っ黒になって、消え、正に空間の移動をしてジェムたちの目の前に――燕尾服を着こなし、蒼い双眸で全ての敵に打ち勝ち観客を魅了するジェムの父、サファイア・クオールが現れた。
「お父様……本当に、お父様の計画通りだったの?違うって……言って……」
「訂正すべき事柄はあるが……まずはダイバ・シュルテン。君の頭脳を認めよう」
「おとうさまぁ……」
サファイアは、何を言っていいかもわからず訴えるジェムではなくダイバを見て、ボールを一つ取り出した。普通のモンスターボールによく似た、だけど少し装飾の違うボールは、サファイア本人の手持ちではない。その中に入っていたポケモンを、サファイアは出す。
「――――これで。欲しい答えになったか?君の言う通り、このフロンティアでの一連の事件を仕組んだのは私だ。エメラルドにも随分と無理を言った」
「アマノの持っていたダークライ……!」
ドラコにつかみかかっていたアルカが驚いて止まる。サファイアが繰り出し操っているのは、昨日の作戦の鍵である伝説のポケモンに他ならない。それを平然と使役していることが何よりアマノの計画をサファイアが仕組んだことの答えになっていた。全ては、フロンティアでの出来事を盛り上げ、バトルを面白くするためだけに。たくさんの人への見世物にするためだった。
「君にも申し訳ないことをした。私達の計算ではアマノ一人ではジェムやダイバ君への脅威にはならない……君のような本気で他人を害することに慣れた人間が必要だった。その為に利用したことを認めよう」
「……ッ、わたしはあなたに謝られるような覚えなどありません!そんなことより……!」
アルカはドラコを払いのけ、ジェムに駆け寄る。そもそもジェムがフロンティアに来た理由は、父親への憧れが理由だった。アルカへ優しくしたことだって大元をただせば父親の様になりたかったというのが始まりにあったこそだ。それすら利用され欺かれ、ジェムは泣き喚くでもなく怒るでもなく、全てを奪われて空っ
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