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フロンティアを駆け抜けて
全ては皆の笑顔のために
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無理やりこの場所を奪ったのが始まりだった。復讐する動機、バーチャルシステムの欠陥……そして立ち向かうためのダークライという伝説の力」
「アマノがダークライを手に入れたことすら計算だったとでも?」
「……僕にはわかる。ダークライが倒された時のあの消え方は……本物のポケモンじゃない。精巧に作ったバーチャルポケモンだったんだよ」
「な……!?」

 確かにダークライの消え方は少し変だったし、伝説のポケモンにしてはあっさりと倒せていた。アルカはバーチャルポケモンの事をあまり知らないから反論は出来ないのだろう。ただ、アマノが自信の源にしていた伝説の力が紛いものだったといわれて真っ青になる。 

「なら……アマノは最初からずっとオーナーの掌の上で何も知らずに騙されていたといいたいんですか……」
「……そのはず。だけど、それを企んだのは……パパじゃないはずだ。ジェム、君達にとっては多分聞きたくないことだと思うけど……残念だけど、真実はこれしかない」
「それがダイバ君が、私に隠してたこと……なのよね」
 
 ダイバが呼吸を整えて、その口から放つ言葉を。恐らくジェムは一生忘れることはできないだろう。なぜならそれは、ジェムがここまでの流れで予想していたことの更に上をいく内容だったから。


「フロンティアでの様子はどこでも見られるようモニターやテレビで放送してある。普通にバトルの様子をテレビで流すだけでもバトルフロンティアがどんなところかをPRするには十分だ。だけどそいつは、それだけじゃ面白みに欠けると判断した。『ポケモンバトルで見ている人を笑顔にする』そのためならどんな手段を厭わない……自分の娘がどれだけ傷ついて、悲しんで。でも劇的なタイミングの助けやジェムだけが持ってる強さで最終的には僕に勝ってチャンピオンと戦う権利を手にする一連のストーリー。思い通りの結果で満足したか……!ジェムの父でありポケモンバトルのホウエンチャンピオン、サファイア・クオール!!」


 その告発は、ジェムが誰より憧れ、尊敬し、崇拝さえしていた父親こそがジェムを今まで危険に追いやってきたと宣言していた。ジェムの頭の中が、拒絶するように真っ白になった。何も考えられない。一時的な悲しみではなく、今までやってきたことをすべて否定されたような、シンボルハンターの時よりもずっと唐突で強烈な事実がジェムの心を破壊する。

「うそ……よね」
「……言わない方がジェムにはよかったかもしれない。でも僕に勝ってチャンピオンに挑むからには――」
「お父様、ダイバ君の勘違い……だよね?」

 ふらふらと、迷子になった幼子の様な言葉。画面の中の父親に、助けを乞うように聞く。ジェムに暴かれたあとまた黙っていたドラコが、チャンピオンに言う。

「どう
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