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フロンティアを駆け抜けて
全ては皆の笑顔のために
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それはジェムにもわかるくらい不穏で、わざとらしさがあった。

「ダイバ、お前の言い分ではジェムが危ない目に遭っても助けられるよう手配していたというのだな?」
「そうだよ……それで?」
「だがジャックがいかに監視し、空間を超える術を持っていようとも昨日のあれは一瞬の遅れが命取りになる状態だ……そんな状況でわざわざ空間なり壁を越えていたらどうなる。ただ離れているだけならともかく、バトルタワーの頂上付近だぞ?」
「壁抜けならもちろん、空間転移といっても、場所が離れていたり正確な場所に出るためには多少に時間はかかる……そういうこと?」
「その通りだ。誰であろうといちいち危なくなったのを見て外から助けに入っていれば、催眠術使いのアマノはいざ知らずアルカの毒が回りきって死んでしまうわ!」

 ドラコの反論は一見尤もだ。例えば『ゴーストダイブ』は壁やものを無視して進むことは可能だが、移動するには時間もかかるし影に入った後すぐには出てこれない制約なども多い。超常現象を操るポケモンもそれぞれ何でも自由というわけではない。だがダイバは動じない。そして……ジェムにも、予想がついた。

「だからこそ……君はアマノに操られていたんだろ。ドラゴンタイプのポケモンならジェムがバトルタワーから突き落とされても受け止められる。僕やジェムの後をこっそり追っていざという時は即座に割って入れるようにすることも昨日に君には難しくなかったはずだ。落ち込むジェムを叱咤激励し、敵として迎え討ちながらも倒された後は協力する……そういう存在として君は用意されたんだ」
「ドラコが……わざと?」

 アルカが信じられないような顔で後ずさる。自分と同じようにアマノに操られ、その上でアルカを案じてジェムに助けるように頼んだと聞いている。それが最初から計画通りの出来事だった?

「昨日パパがあっさりアマノを突き落として平然としてたのも、そう言うことだったんだ。誰が突き落とされようと、下には受け止めるための人間を用意していたから落ちたところで構わなかった……そうなんだろ」
「ふん……大した想像力だ。子供の発想とは恐ろしいな。だがそこまで疑うのなら証拠はあるのか?筋は通っていても、確たる根拠もないのに疑うのは感心しないな。アルカやアマノ同様、私は本気でお前達を退けるつもりで戦ったつもりだったが?」
「それは……」

 ドラコは、肯定も否定もしなかった。基本的にはっきりものを言うドラコは昨日のあの時も、核心をついた時ははぐらかしていた。口の端が楽しそうに歪んでいるのは、気のせいだと思いたい自分とやっぱりそうなのかと思う自分がいる。ダイバは少し言葉に詰まったようだった。考えとして持っていても、具体的な証拠はないのだろう。だがジェムはこのやり取りで、ドラコが本当に操
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