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フロンティアを駆け抜けて
全ては皆の笑顔のために
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、ジェムは思い出してみてもダイバの言う違和感がわからない。そんなジェムに、ダイバは質問する。

「ジェム、君が憧れたチャンピオンの使うポケモンのタイプは?君の尊敬する師匠であるジャックのトレーナーとしての特徴は?」
「お父様がゴーストポケモン使いで、ジャックさんは色んな伝説のポケモンを持ってるけど……」
「もう一度言う。君は昨日アルカやアマノに殺されても不思議じゃなかった。……僕のゲンガーでさえメガシンカすれば異次元を通じて空間を移動できる。伝説のポケモンには時間や空間を超えることのできるポケモンは多い。……ここまで言えばわかるよね」
「……!」

 あの時バトルタワーの入り口は封鎖されていた。でもそれはあくまでただの壁だ。どれだけ分厚い壁であろうと、二人にとっては障害になり得ない。ジェムの頭に一つの想像が浮かんでしまう。

「じゃあダイバ君は……お父様やジャックさんが私が死ぬかもしれないのをわかってて、ほっといたって言いたいの……?」
「何をバカな……ジェムはあれだけ自分の家族の事を信じていたんですよ? そんなジェムの家族が、わざわざ死の危険を冒させるような真似をするとは思えませんね。考えすぎでは?」

 ジェムは信じたくなかったし、アルカも否定した。それではあまりに報われないではない、と。そして、ダイバは首を振った。

「半分は正解だけど、そうじゃない。二人は……いや、このフロンティアの中心に関わる人間全員か。そもそもジェムが死ぬなんて思ってなかったんだ」
「は……意味がわかりませんね。わたしやアマノではジェムを殺せるわけがなかったと? アマノの計画はわざわざ自分が出るまでもない程度のものだったと言いたいのですか?」
「そんなのおかしいわ!だって……あの時は、本当に……」

 アルカにしてみれば自分たちの行いをコケにされたようにも感じる言い方だ。愚かではあったし実際に止められたわけだが、それでも最初から軽んじられていたというのは納得しがたいし、ジェムにとっても理解できない。ウツボットの蔦に力を搾り取られた時、エンニュートやラフレシアの毒に侵された時、バトルタワーの天辺から地上に突き落とされかかった時。もうだめかと思ったタイミングはいくらでもあったしあの場にいる本気で戦っていたからこそ今傍にいるみんなとの関係があるはずだ。

「ジェム。昨日は僕と一緒になんとかしたけど……最初にアルカにさらわれた時は自分一人で何とか出来た? シンボルハンターと戦った時はどうだった」
「えっ?」

 唐突に話題を変えられて、ジェムは一瞬戸惑った後思い出す。あの時助けてくれたのは――

「ううん、ジャックさんが助けてくれなかったら私はアルカさんと一緒に悪いことをしてたと思うし、お母様にも嫌われてると
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