全ては皆の笑顔のために
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、もはや最初の目的は頭から抜けてドラコにアルカ、そして今ダイバを助けて支えたくて戦っていて、周りの人間がどう思うかなんてあまり意識しなかった。
「最初にシンボルを七つ集めたジェムには私と正式な場所で勝負する権利が与えられる。受ける場合、一週間後の夜八時私と勝負することになるが……受けてくれるか、ジェム」
「うん、あのねお父様。私ダイバ君やアルカさん、ドラコさんや色んな人と勝負して……強くなれたの。だからそれを、お父様にも見てほしい」
「そうか……なら一週間後を楽しみにしている。私は一昨日のあの部屋かバトルタワーにいる。このパスで連絡も出来るからいつでも話したいことや聞きたいことがあれば来るといい」
「わかったわ。今は皆とやりたいことがあるから、またお話ししに行くね」
この前勢いに任せてバカと言ってしまったことや、母親と昔どんな風だったのか聞きたいことはたくさんあるけれど、今は友達になったダイバ達と一緒に時間を過ごしたかった。サファイアもそれを否定せず頷く。
「せっかくできた友達だ。大事にするといい。では、また会おう――」
「待て」
サファイアが別れの言葉を告げようとした時、急にダイバが制止した。ジェムが驚いてダイバを見る。短い言葉に込められた意思はすごく剣呑だ。全員の視線がダイバに集まり、彼はゆっくりと口を開く。
「……ホウエンチャンピオン、ジェムにまだ言うべきことがあるんじゃないのか」
「……どういう意味か聞こうか」
「とぼけるな。それとも参加者である僕の口から言った方が面白いと思ってるのか」
「ちょ、ちょっとダイバ君。いきなりどうしたの?」
ダイバは何かを隠している風ではあったが、それに関係することなのか。自分に対する敵意とは違う、チャンピオンに対する憤りのようなものがはっきり感じられた。自分が負けたことによる八つ当たりをするともジェムには思えない。ダイバは構わず語り始める。
「……昨日のバトルタワー襲撃には違和感があった。ドラコ達がバトルタワーの壁を突き破って中に入ったと聞いた時からだ」
「ほう? 私がか?」
「……ここからでも見えるくらい高いバトルタワーの壁を突き破って侵入し、バーチャルシステムを止める。そんなことをしたら誰の目にもつくはずだ。気づかない方がおかしい」
「それはそうですが……」
「アルカと戦った後僕がしばらく気を失って。目が覚めた時にはそれなりの時間が経ってたにも関わらず状況に変化はなかった。結果的に僕とジェムが止めることに成功したけど……そんなの、常識的に考えてあり得ない。下手をすればフロンティアは乗っ取られ、ジェムと僕は命を落としたかもしれないのに」
「どういうこと……?」
昨日は必死に止めるだけを考えていたから
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