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フロンティアを駆け抜けて
全ては皆の笑顔のために
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てそれを私が受ける義理は……」
「ある。一昨日の夜にお前はフロンティアブレーンと戦い勝利しているとジャックから聞いた。知らぬふりは許さんぞ」
「なるほど、よく調べた……いや、そもそもこの時のためにジャックさんは私に勝負を挑んだと考える方が自然か」

 サファイアが観念したように呟く。ドラコは膝をつき、座り込んだまま虚空を見つめるジェムに呼びかける。

「ジェム!!確かに私はお前を欺いていた。お前の師匠もな!だが私もあいつもお前のことを見せ者として馬鹿になどしていない!これからやってくる人間どもがどんな目でお前を見ようと恐れるな!!例えお前のここまでの道のりがチャンピオンの掌の上だったとしても、私はお前の強さを認め、アルカはお前の優しさに納得し、ダイバはお前を友と認めた!ジャックはお前の手によって救われたと私に語った。だからこそチャンピオンをも欺いた!そして私が……チャンピオンを倒し、こいつのたくらみなど木っ端みじんに粉砕してくれる!!」
「ドラコ……さん……」

 ジェムはドラコの方を見ることが出来ない。彼女のこの言葉さえ、ジェムを奮起させるために欺いているだけかもしれない。そんな風に感じてしまうくらい、ジェムの心はひしゃげてもう元に戻りそうになかった。

「さて、言うべきことは言った……後はポケモンバトルで語るのみ!さあ、受けてもらおうかチャンピオン。私が認めた相手の心を弄んだことを懺悔するがいい!」
「……いいだろう。勝負を挑まれたのは私、よってルールを決める権利は私にある」
「だが、失望させてくれるなよ?無敗のチャンピオンともあろうものがこの状況でさっさと終わらせるために一対一などと言えば誰も納得はすまい」
「当然だ。予想外ではあるが、そんな状況でも見ている人間を楽しませてのチャンピオンだ。……そのためなら、何を犠牲にしても構わないと誓ったのだから」

 サファイアは少し目を閉じて考える。周りを見ていないのに、その姿には一切の隙がない。ダイバがドラコに言う。

「ジェムにも僕にも勝てない君が、チャンピオンに勝てるなんて本当に思ってるの?」
「随分な物言いだな。やって見なければわからん。それに……いつからあれが私の本気だと錯覚していた?私はまだ半分の力も出していない。龍に秘められた力を解き放てば、悪霊を退けるなど実に容易いことだ」
「……何言ってるの?」

 唐突にダイバとは違う意味で小難しいことを言い出したドラコに訝しむダイバだが、今は彼女に任せるしかないのも確かだ。

「ルールはバトルタワーにおける四体四のダブルバトル……異論はないな?」

 サファイアが瞳を開き、ルールを宣言する。ドラコは頷き、リザードンを一度下げボールをもう二つ取り出した。

「君の役目は
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