angelcode〜とある少女の物語〜
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はまだ知らない事だが、ソフィアは幼い頃、そのエレバンからさほど離れてはいない村で両親と暮らしていた。さほどとは言っても、当時の交通手段は馬か徒歩で、上流階級だけが辛うじて馬車に乗って移動していただけで、実はかなりの距離がある。
そして、ソフィアが預けられた修道院も、エレバンから「さほど」遠くない距離にあったので、その修道院で生活する者には「エレバン」は耳馴染みのある地名だっのだ。
明くる日、学習院の大聖堂前に集まった新米エクソシスト達は、3人ずつ教会が手配した荷馬車に便乗させてもらい、赴任地へ出発していく。
当日中に到着出来る赴任地もあるが、ソフィア達が目指すエレバンはかなりの距離があり、一旦、中継地で一泊して更に山里を目指す手筈になっている。
学習院の生徒達に食事を作っていたオバチャンが、ソフィアに3人分のサンドイッチの包みとミルクの缶を手渡すと、入れ替わりに教区の司教が祭司を伴って荷台の横に立つと、祝辞をかけて前途を祝福してくれた。
「では、出発しやす」
それまで黙っていた御者台の農夫が、一声掛けると手綱を操作して馬たちを歩かせ始める。
学習院があるこの街はかなり大きく、周りを城壁で囲まれ、石畳が整備されているので、蹄の音が軽やかに響き始め、ソフィア、ルゥ、べティの3人の新米エクソシストを乗せた荷馬車は、ゆっくり動き始めた。
大聖堂の頂塔に、1羽の黒い影が留まっていたが、荷馬車が動き出すと同時に飛び立ち、これから荷馬車が潜り抜けるであろう城門に向かっていったが、それに気づく者は誰一人としていなかった………
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