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angelcode〜とある少女の物語〜
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「親愛なるマザーへ

 マザー、ここに今期エクソシストへの登用が決定されたことを、ご報告申し上げます。
今後は赴任地を移動する日々が続くので、手紙の間隔が開くと思いますが、どこに行っても、私を育ててくださったマザーの事は忘れないでしょう。

お元気でお過ごしください

                    ソフィア」


 大聖堂で同級生と共に叙任を賜わり、一度個室に戻ったソフィアは、旅立ちの前に自分が生まれ育った修道院のマザーに手紙をしたためていた。

 人手不足に悩む教会は、女性に悪魔払いの知識・技術を教える学習院を始めた。ソフィアは修道院育ちという事もあって、見習いからシスターになる道もあったが、誕生日に起きた出来事がきっかけで、両親ではなく修道院で育てられた背景を知り、エクソシストになるべく学習院のあるこの街に出てきたのだった。

 若い女性を教えるところだけあって、同級生はみな若い女性ばかりで、母体である教会からの指導もあり、赴任も単独ではなく最低3人ずつ振り分ける事なっていたため、ソフィアには新しくルゥ、べティという仲間ができた。

「ソ〜フィア〜? 明日は移動するんだから、早く寝ないとダメだよ〜?」
「えっ? ルゥったらいつの間にそこにいたの?」

 声をかけられて、振り返ってみれば、ルゥがニコニコしながら、開いたドアの横に立っていた。

「ノックしたけど、返事がなかったんだもん〜」
「気付かなくてごめんね。手紙を書いてたのよ…。マザーにはちゃんと報告だけはしたくって………」

そう言うと、ルゥを招き入れて椅子を差しだし、自分はベッドに腰を掛ける。

「私たちの赴任地、なんでもエレバンっていう深い森の近くの集落らしいわよ〜?イヤよねぇ〜、いくら私達がエクソシストになったからって、森に放り出すなんてさぁ…」
「エレバン………ですか…」
「どうしたの?ソフィア、エレバンの森を知ってるの?」
「そう言う訳ではないんだけど…」
「そう……。かなり遠いみたいだから、ちゃんと寝なさいよね〜。じゃあね、おやすみ〜♪」

 言うだけ言うとルゥは立ち上がって、去り際に掌をヒラヒラさせると自室に戻っていった。

「エレバン…かぁ…。じゃあ、足を伸ばして修道院に里帰り出来るかなぁ〜」

 一人ごちると、机のランプを消してベッドに横になった。明日は、赴任地のエレバンの森に向かって、長距離を移動する事になる。
 正しくはエレバンの森のそばにある集落で、最初はそこを拠点にして、住民から話を聞きつつ悪魔を祓っていくらしい。
 悪魔の出没情報はいたるところにあり、農村部の方が頻度は多いものの、下級の悪魔や魔物だけという事で、新米の赴任地は田舎の集落に限られていた。



 このとき、ソフィア
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