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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第587話】
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セプターだが正直接近戦でヒルトに敵う筈もなく、だからといってアウトレンジはヒルトの弾幕に削りきられるのは目に見えていた。

 セシリアは短期間で伸ばしたヒルトの実力に驚きを隠せないものの、好きな男子が更に頼れる存在になったことが嬉しく思えた。

 まだ負けが決まった訳ではないが、負けてもセシリアに後悔はない。

 一緒の部屋で毎日過ごす、二人だけの甘い甘美な時間を過ごすという事が出来なくなるが、あくまでそれは【毎日】であり、たまになら今でも可能なのだ。


「ヒルトさん! まだまだ、行きますわよ!!」


 結局セシリアはアウトレンジでの戦いを選び、弾道型自律機動兵機を絡めたフレキシブル射撃を行う。

 張られた弾幕を抜けられず、弾道型自律兵機は爆発、爆煙が二機の合間に舞い上がる。

 ――弧を描く粒子ビームも、やはりイザナギのシールドバリアーを掠めるが、決定打にはなり得なかった。

 シールドバリアーを貫通する弾丸、それらはセシリアの肌表面の絶対防御に触れると根刮エネルギーを奪っていく。

 シールドエネルギーも残り一〇を下回った――勝つ可能性が限り無く低くても、セシリアは全力でヒルトと戦った。


「悪いなセシリア、俺個人としても……持つべき者の義務としても。 ……俺の勝ちだ!」


 ヒルトは引き金を引いた――加速力のついた弾丸は、セシリアのシールドバリアーを掠め、残ったエネルギーは〇へ。

 ハイパーセンサーに表示されるwinの文字――セシリアとの戦いはヒルトが勝利した。


「……いくら好きな人でも、やはり負けると悔しいですわ……」


 悔しさ滲み出る表情のセシリア、だが軽く息を吐くと――。


「ですが――それ以上に、わたくしが愛する殿方の勝利、そしてこの一歩が貴方を代表候補生へと導くと考えれば……嬉しく思いますわ」


 ニコッと笑顔に変わるセシリア――ヒルトもそれに応える。


「ありがとうな、セシリア」

「いえ。 ――ですが、まだ相手は居ますわよ? 補給、急ぎませんと」

「そうだな。 とりあえず次の相手が誰かはわからんが……勝つさ、セシリア」

「えぇ! ここで負けられたら、意味はありませんわ」


 セシリアの檄を受け、ヒルトは一旦補給に戻った。


「……完敗、ですわね」


 消え入りそうな声でそう呟くセシリア――模擬戦の結果はセシリアの負けだが、何故完敗なのか――。

 直撃を何度も浴びてダメージを受けたセシリアに対して、ヒルトは『シールドバリアーを掠めた』ダメージしか減少していない。

 シールド・エネルギーによるライフ制がISでの基本だが、もし仮にシールドバリアーの使用がない場合、直撃したセシリアは良
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