アージェント 〜時の凍りし世界〜
第二章 《暁に凍る世界》
白峰暁人
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氷雪君の為でしょう。強力な氷雪君の魔力を抑え込む為にはスノウスフィアクラスの出力で安定させるしかない。ですが、ご存知の通り、スノウスフィアは単体では非常に不安定です。ですから……」
「……犯行は続く、と。」
「……幸い、最新の研究で、スノウスフィアの制御技術はほぼ確立しています。氷雪君の治療も可能でしょう。その方向で説得できれば、或いは。」
先の見えなかった捜査に光明が見えてきた。しかしその瞬間、はやてがある事に気付く。
「ちょっと待ってな……最新の研究って……研究施設があるん?」
「ええ、アージェントの中でも秘境と呼ばれるイリガルド山脈の麓に。」
「……氷雪ちゃんって子が、こないだの暴走の原因やろ?その子の暴走を止める為にスノウスフィア集めてるっちゅうんなら……」
「まさか……研究所を!?」
はやての言わんとするところを察したフェイトが驚きの声を上げる。ロストロギアを扱う様なレベルの研究所なら管理局からも警備部隊が出ている筈だ。到底単騎で襲撃できる場所ではない。
しかし、
「可能性としては……考えられるな。まだ未発掘の残り一つを待つより、手っ取り早く発掘済の“七つ”を奪おうと考えるかもしれない。」
あり得るとするクロノの言葉。そもそも相手が『まとも』であれば、アースラに単独で殴り込みを掛けたりはしてこないだろう。
「安心して下さい。一連の事件を受けて、襲撃にそなえて警備を強化してあります。仮に今すぐ襲撃を受けたとしても皆さんが駆けつけるまでには充分間に合うでしょう。」
ドウェルが落ち着き払ってそう言った直後、緊急事態を告げるアラートが鳴り響き、クロノのすぐ側に通信ウィンドウが開く。
『クロノ艦長、直ぐに艦橋に来てください!』
「状況を報告しろ!何があった!!」
『アージェント山岳部の先進技術研究所からエマージェンシーが発信された後、通信が途絶!詳細は不明です!!』
最悪の想定は、現実になろうとしていた。
〈Completed development of wide area boundary.〉
相棒の報告を耳半分で聞きつつ、眼下の研究所を見下ろす暁人。軍隊の礼装の様なバリアジャケットに、氷を思わせる無表情はいつも通りだ。
「ハボクック、エリアサーチだ。スノウスフィアの位置特定を……」
〈I am doing it already.Up to three specifications are completed.〉
「……そうか。」
僅かに、ほんの僅かに暁人の口角が上がる。自分の娘とも言えるハボクックと意思
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