第十五話
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「ちょこまかうるせぇ!食らいやがれ!」
木曾の放った魚雷は、動き回っていた駆逐ニ級にクリーンヒットしたらしく、煙を上げながら沈んでいった。
「うーし、今回の艦隊も壊滅できたかな。」
回りを見渡しても、他の敵艦は見当たらないので、そう言い切っていいだろう。
しかし……。
「今回もMVPは木曾かぁ。」
ここまで三戦したけど、全てのMVPを木曾が取っている。俺がここまで沈めた艦が五隻に対して、木曾は既に二桁沈めている。
「それがどうした。」
木曾は誇らしげにするでもなく、常にこんな感じだ。
「いつも敵艦隊の半分は木曾が沈めちゃうからな。もしくは旗艦を真っ先に沈めるね。」
時雨に言わせるとそうらしい。いやいや、これが第二次世界大戦だったらとんでもないことになってるだろ。
「おまけに殆ど攻撃が当たってないっぽい。木曾が中破や大破したとこってあまり見たことないっぽい。」
と話すのは夕立。それに関しては俺も言いたいことがある。
それは第二戦で起こったことなのだが、重巡リ級が撃った砲弾を、木曾が手で薙ぎはらったのだ。深海棲艦の砲弾は基本的に当たったら爆発するのに、何故。
因みに、そのとき木曾はこう言った。
「ちっ。突き指しちまったぜ。」
いや、突き指で済むのかよ。
さて、話が脱線した。とにかく今は敵艦隊を壊滅させた。
「まぁ、後は敵の主力戦隊だけですし、気をつけて行きましょう。」
神通さんはそう言った。
「おうよ。しかし、敵艦隊があんまり強くねぇな。いつもなら正規空母とか戦艦とかがとっくに出ててもおかしくねぇのにな。」
そう言ったのは摩耶さんだ。
「まぁ、良いことじゃないっすか。それだけこっちの負担が減ってる訳だし。」
俺は摩耶さんにそう返した。
しかし、ここまで来たら極力無傷で海域を制圧したいな。
「さーて、今度はどっちだ…っと!」
木曾は気合いをを入れて羅針盤の針を回した。
羅針盤の針は今回は北西の方向を指した。
「ういじゃま、後は敵の主力戦隊だけだ!気を抜かずに行くぞテメェら!」
「おう!」
「了解!」
「おーけーっぽい!」
「あいよ!」
「はい!」
―三十分後―
俺達は今、相変わらず海の上を移動していた。まだ敵艦隊は見つかっていない。
しかし、さっきから岩場が回りに有り、そこに隠れての奇襲が怖い。お陰でさっきからずっと回りを見渡しながら移動している。
「こりゃあ今から戦闘になったら夜戦になっちまうかもな……。そうなったら全員撤退な。」
木曾は俺達にそう言った。
「
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