ガンダムW
1713話
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言われ……
『いえ、何でもありません。失礼しました』
声を揃えてそれだけを告げ、そのまま去っていく。
……万が一のことを考えての行動なのだろう。
何気に、結構賢かったな。
今までだと、大抵こういう場合は俺が嘘を言っていると思い込み、攻撃を仕掛けてくるんだが。
ともあれ、こちらとしては面倒が減ったので嬉しい限りだが。
「さて、じゃあ邪魔者もいなくなったし……久しぶりのバカンスを楽しもうか?」
綾子に向けてそう告げるが、声を掛けられた綾子の方は苦笑を浮かべて口を開く。
「そんな暇、あると思う?」
綾子の視線が向けられているのは、俺……ではなく、周囲にいる野次馬達。
綾子達が絡まれていた時に集まっていたよりも、更に多くの野次馬が集まっている。
それが何を目的としているのかというのは、考えるまでもない。
連合軍の兵士だったり、その関係者にとっても、シャドウミラーという存在はそれ程までに価値があるのだ。
だからこそ、こうして何とか顔を覚えて貰おうと集まってきてもおかしくはない。
もしくは、単純にシャドウミラーという最強の存在に対する憧れとかもあるのかもしれないが。
少しずつ近寄ってくる周囲の連中に向け、先程の男達と同様に機先を制するように再び口を開く。
「悪いが、俺達がこうしているのはあくまでもプライベートでの行為だ。財団派との戦いの疲れを癒やす目的でここに来ている以上、あまり煩わせたくない。それを承知の上で俺に用事がある奴だけ話し掛けろ。もっとも、その場合は後でどうなっても俺は知らないがな」
周囲にいる野次馬達に視線を向けながら……少しではあるが殺気を込めつつ、そう告げる。
この世界の人間は殺気を感じるといった能力は発達していない。
それでも、俺から得体のしれないプレッシャーのようなものが発せられているのは感じられるのか、そのまま動きを止める。
「どうやら俺達の希望に配慮してくれたようで何よりだ。……なら、後はお互いゆっくりとこのバカンスを楽しむとしよう。綾子」
向こうが何も動きを見せないうちに、綾子の名前を呼ぶ。
名前を呼ばれた綾子は、仕方がないなといった顔をしながらも俺の腕に抱きつく。
いつもの軍服越しとは違う、水着1枚だけしかない柔らからさ。
……もっとも、毎晩の如く綾子の身体を貪っているのだが。
だが、それだけに何も付けていない綾子とは、また違った別の興奮を感じてしまう。
それを表情に出さないように気をつけながら、俺は綾子と共にその場を立ち去る。
当然サリィも、自分だけ置いていかれては堪らないと、俺達を追う。
まぁ、サリィの場合は正確にはシャドウミラーの所属ではなく、連合軍から派遣されている立場なのだから、別に向こ
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