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レーヴァティン
第八話 神殿にてその十四

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「その場合もな、しかしだ」
「そうしても何もならないからな」
「それ位はわかるな」
「俺だってそこまで馬鹿じゃないつもりだ」
 しなければならないこと、そのことから逃げる様なことをしない限りに分別はあるとだ。久志は英雄に言い切った。
「だからだよ」
「そうだな、ではだ」
「ああ、やってやるか」
「そうだ、ではこれからもだ」
「この世界のことを勉強していくか」
「まずはな」
「まあ勉強はな」
 所謂学生の本分についてはだ、久志は案外嫌でもない様で英雄に対して素の表情のままで返した。
「別に苦手じゃないしな」
「その様だな」
「学校の勉強もな」
「別に嫌いでもないか」
「ああ、だから成績もそこそこだったよ」
 高校時代まではそうだったというのだ。
「優等生でもなかったけれどな」
「そうか、俺もだ」
「勉強は嫌いじゃないか」
「抵抗はない」
 机に向かって読み書きをすることはというのだ、とはいっても今は書いてはいないがそれでもだった。
「こうして普通に出来る」
「そうか、じゃあな」
「まずは学ぶことだ」
「そういうことだな」
「今俺達は知識の足場を固めている」
「それが出来てから動くか」
「それでいい、もっともこうしている間にも魔神は動いてだ」
 彼等が倒すべきその相手がというのだ。
「何かをしようとしているがな」
「そう思うと焦るな」
「しかし何も知らないまま動いても何もならないだろ」
「無知で出来ることって限られてるしな」
「手探りではじめるとかえって遅くなる」
 それで動いてもというのだ、英雄の言葉には冷徹な現実があった。
「だからだ」
「まずはな」
「学ぶことだ」
「そういうことだな」
「ではいいな」
「ああ、読んでいくさ」
 久志も勉強には抵抗なくだ、読んでいく。そうしてさらに知識を蓄えていってだ。英雄は遂にこう言った。
「もういいだろう」
「ここを出るか」
「読むべき書は全部読んでだ」
「聞かないといけないこともな」
「全てやった」
「それじゃあだな」
「ここを出てだ」
 神殿をというのだ。
「そしてだ」
「いよいよ冒険の再開か」
「そうなるな」
「何かずっとな」
 久志はしみじみとした口調になっていた、その口調で英雄に話した。
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