第三章
[8]前話
「いや、もうね」
「フリーだった頃と大違い」
「彼のことばかり考えたりして」
「何をするかも深く考えて」
「大変よ」
「一から千まで」
「一挙手一投足まで考えたりして」
彼と一緒にいる時はだ。
「難しいっていうか」
「全然簡単じゃないわ」
二人で話をした、そしてその二人で紹介してくれた彼女にも言うとだ、彼女は私達に笑ってこう言ってきた。
「そうよ、恋愛は単純でないし暇でもなくてね」
「難しい」
「そうしたものなのね」
「あれこれ考えてしていかないといけないから」
相手のことを考えて、というのだ。
「大変なものなのよ」
「恋は簡単っていうのは」
私は彼女にここでもこの歌のことに言及した。
「それは」
「実はなのよ」
「違うのね」
「そうよ」
まさにという返事だった。
「その言葉は少なくとも初心者には言えないわ」
「付き合ってばかりだと」
「私も言えないし」
かく言う彼女もというのだ。
「そんなこと言える人はね」
「そうした人は?」
「神様よ」
それこそというのだ。
「恋愛の神様よ」
「そうした人でもないとなの」
「そう、言えないわよ」
「そうしたものなのね」
「私も大変だから」
彼女は自分もと言った。
「彼氏と付き合ってて」
「そうなのね、貴女も」
「目が回りそうになる時もあるわ」
あまりにも忙しくて難しくて、というのだ。
「恋は簡単なものじゃなくて」
「むしろよね」
「その逆で」
友達と二人で言った。
「こんな難しいものはない」
「そうしたものね」
「そう思うわ、本当にね」
彼女も言った、そして三人でそれぞれのこれからの交際のことを話していくようになった。けれど幾らそうしても答えはいつも中々出ない、恋の難しさを知るばかりの日々でそれは今も同じだ。大人になった今でも。
Easy 完
2016・10・24
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