23部分:第二話 張三姉妹、太平要術を授かるのことその十
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第二話 張三姉妹、太平要術を授かるのことその十
「会いますわ。あと審配にですけれど」
「審配にもですか」
「何を」
「青州の治安を安定させるように言っておきなさい」
そうしろというのだった。
「宜しいですわね」
「わかりました。では彼女にも」
「そう言っておきますね」
「ではその三人と会いますわ」
あらためて言う袁紹だった。
「その様に」
「では謁見の間に」
「審配にはあたしが言っておきます」
こうしたやり取りの後で謁見の間に行く袁紹だった。するとそこには黒いジャケットにジーンズ、赤いバンダナに棒を持った鋭い顔の男と黒い肌のスキンヘッドで大柄な男、そして黒髪をオールバックにして髭をはやし右手に赤いマントを持ち派手に刺繍されたみらびやかな服を着た男、三人がいた。
三人はまずは階段の上の玉座に座り左右に顔良と文醜を置いた袁紹に一礼してきた。そのうえで話がはじまるのだった。
「貴方達がですのね」
「ああ、この世界は何かよくわからないがな」
「昔のチャイナらしいが」
「どうも我々の世界とは違うらしいな」
「また面白いことを言う者が来ましたわね」
彼等の言葉を聞いてもそれで驚くことはない袁紹だった。それはまるでもう先に出て来る言葉がわかっているかの様な様子であった。
「まずは貴方達の名前を聞きますわ」
「ああ、それか」
バンダナの男が袁紹のその言葉に応えた。
「それなんだな」
「そうでしてよ。それで貴方達の名前は?」
「ビリー=カーン」
まずはそのバンダナの男が不敵に笑って応えてきた。
「この棒が武器だ」
「三節棍でしてね」
袁紹は彼のその棒を一瞥して述べた。
「そうでしてね」
「へえ、わかるのか」
「わかりますわ。見ただけで」
袁紹はここではうっすらと笑って返した。
「もうそれだけで」
「そうかよ。とりあえずあんたのところの世話になっていいな」
「無論ですわ。この袁紹誰も拒むことはありませんわ」
その笑みはそのままでの返答だった。
「無論俸禄の分は働いてもらいますけれど」
「リリィの奴はいないようだが」
ビリーはここでふといぶかしむ声になった。
「まあいいさ。それでも食わないといけないからな」
「それは私もだ」
髭の男も言ってきた。見れば背は隣の黒人と同じ程である。かなりの長身だ。
「生きる為にはな」
「貴方の名前は?」
「ローレンス=ブラッド」
この男も名乗った。
「闘牛士だ。その為の戦いを心得ている」
「闘牛士!?」
「そうだ、スペインのだ」
そこだというのである。
「スペインという国はこの時代にはないがな」
「スペイン。羅馬なら知っていますわ」
こう返す袁紹だった。
「遥か西の国でしてよ」
「そうだ。その国が
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