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地下三階
第七章
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「変な男の人もいない」
「間違っても絵も彫刻もね」
「じゃあね」
「そんな気がするだけね」
 これで考えを止めてだ、二人は食品のフロアーに行ってそこで様々な美味しいものを観て回って楽しんだ。この日はこれで百貨店の中を巡るのを締めた。
 そしてだ、後日だった。
 二人はふとだ、登校中に同時に言った。顔を見合わせて。
「漫画研究会入る?」
「あそこにもね」
「そしてね」
「そのうえでね」 
 楽しもうというのだ。
「それじゃあ」
「そうしましょう」
 二人で話してだ、そのうえで。
 二人は漫画研究会も入った、そこで何とだ。
「あれっ、何か」
「すらすら描けて」
「私こんなに絵上手だった?」
「私も」
 二人共自分達が漫画研究会の部室で描いた絵に驚いた。
「漫画家になれる?」
「そうかも」
「目指していいかもね」
「そうね」
 二人で話す、そして二人は実際に高校を卒業して暫くして双子の四コマ漫画家としてデビューした。そして。
 その二人を何処からか見てだ、あの男は友人と思われる白いタキシードとシルクハットの男に対してこんなことを言った。
「あの娘達の閃きも動いたわね」
「あの娘達の閃きは漫画だったのね」
「ええ、そうよ」 
 それだったというのだ。
「あたしはね」
「あの娘達にその才能をあげたの」
「そうよ、漫画家のね」
 そうだったというのだ。
「よかったわ」
「そうなのね、何かね」
 ここでだ、白タキシードの男は男にこうも言った。
「あたしの出る幕じゃなかったのね」
「貴方は知恵の閃きだからね」
「そう、ちょっとね」
「あの二人にそれは」
「縁がなかったのね」
「あの二人のお勉強はね」
 そちらはというと。
「お世辞にもだから」
「そうなの」
「普通よ」
 二人の学業はというのだ。
「あくまでね」
「普通で」
「何でもないわ」
「そうなのね」
「まああたしが二人に会っていればわからなかったけれど」
「あたしが会えたのも間違いだし」
 本来会う筈がなかったものだったとだ、男は知恵の閃きに言った。
「偶然あってね」
「そうね、けれど偶然貴方に会えたから」
「あの二人は漫画家になれたのよ」
 二人が覚えていないことだが、というのだ。
「そうなったのよ」
「じゃあ閃きをもたらすのは偶然」
「そう言ってもいいかも知れないわね」
「偶然が閃きを支配する」
「そうかも知れないわね」
 こうしたことだ、閃き達は話した。漫画家になった二人を見て。そしてそのうえでこうしたことを話した。そのうえで。
 男、芸術の閃きは知恵の閃きに笑ってこうも言った。
「ではお話はこれ位にして」
「お仕事に戻る?」
「そうしましょう、お互い忙しい身でしょ」
「人
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