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地下三階
第二章

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「あれっ」
「地下三階?」
「この百貨店地下三階あったの?」
「私はじめて見たわ」
「私もよ」
 こう二人で話した。
「何、地下三階って」
「ここ地下二階が一番下じゃなかったの」
「何で三階?」
「三階があるの?」
 二人共首を傾げさせる、だがだった。
 颯水も利冴もだ、二人共お互いの目を見合ってから言った。
「面白そうね」
「そうよね」
「その地下三階が何か」
「ちょっと行ってみましょう」
「地獄かも知れないけれどね」
「トップシークレットの場所かも」
 そうした怖いことも考えたが二人共話した。
「二人一緒だし」
「それなら怖くないから」
「行こうね」
「二人でね」
 やはりお互いによく知り合っている間柄だからだ、二人はそうしたものを心強いものと一緒に行くことにしてだった。 
 二人一緒に地下三階のボタンを押した、そのうえで降りていくエレベーターの中にいた。エレベーターに乗っているのは二人しかいなかった。
 そしてだ、エレベーターが止まり扉が開いてだ、外に出ると。
 そこは真っ暗だった、それで二人は首を傾げさせてまずはこう話した。
「真っ暗ね」
「倉庫かしら」
「只の倉庫なの?」
「エレベーターがお店の人用でね」
「私達間違えて乗ったの?」
「そうなのかしら」
 二人はまずはこう考えた、だが。
 その真っ暗な世界が急に明るくなった、それこそ照明が点けられた様に。そして光が灯されたその中にだった。
 何とだ、ダビデ像があった。ミケランジェロのそれがだ。
 二人はそのダビデ像を見てだ、こう話した。
「何でダビデ像あるの?」
「いきなり凄いの出て来たわね」
「というかこれ本物?」
「絶対に違うわよね」
「本物だったら凄いわよね」
「何で日本の百貨店にあるのかって」
 そのダビデ像を見つつ話すのだった、そしてだった。
 二人はダビデ像の方に行って近くまで見るとやはりそれはあのあまりにも有名なミケランジェロの作品だった。それも全裸の。
 それで二人共だ、全裸であることについて言おうとしたが。
 ここで周りに気付いた、ダビデ像の周りはというと。
「ええと、ミロのビーナスあるわね」
「あっちには考える人あるわよ」
「絵もあるじゃない」
 見ればダリだのマグリットだのルノアールだのがある。
「ゴッホのひまわり?」
「ダヴィンチのモナリザもあるし」
「シャガールもあれば」
「色々あるわね」
「石像も絵も無造作に置かれて」
「変な場所ね」
 ただ置かれ壁に飾られているだけだ、白い空洞の様な部屋の中で。
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