第六章
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「お願いします」
「特上握りね」
「お寿司屋さんに行って」
「うん、食べよう」
「有り難うございます」
七瀬は何とか気を取り直して寿司屋で寿司を楽しんだ後で家に帰った、この時はこれで終わったが完全に終わりではなかった。
次第にだ、ドラマが進むにつれ七瀬達の収録でのストレスは溜まり彼女達は自分達だけで集まると暗い顔で話した。
「この収録辛いから」
「私帰っても寝られないのよ」
「いじめる場面ばかり目に浮かんでね」
「痛そうな、苦しそうな絵里依ちゃんの顔ばかり思い出して」
「ストレスのせいか湿疹出来たわ」
「私胃が痛くて」
全員ストレスで参っていた。
「早くドラマの収録終わって欲しいわ」
「こんな辛いお仕事はじめてよ」
「特撮出てたけれどあんな楽しい仕事なかったわ」
「バラエティだったら明るく楽しくなのに」
「普通の学園ドラマだと私能天気な役ばかりなのに」
「このドラマ辛いわ」
こう言うばかりだった。
「食欲減ったわ」
「体重凄い減ったし」
「ネットでの書き込み酷くなる一方だし」
「何か街歩いてても視線痛くない?」
「痛いわよ」
「こいつか、って目で見られて」
それで辛いというのだ。
「もう嫌よ」
「早く終わって欲しいわ」
「このドラマから解放されたいわ」
「次の仕事決まってるし」
「もういいわ、このお仕事」
「ストレスでもう限界よ」
辛くて周囲のスタッフも必死に気を使っていた、そしてケアに務めていたが七瀬達のストレスはかなりのものだった。
そして七瀬がその日は朝から登校しているとだ。
登校中にだ、何とだ。
いきなり左肩に鈍く強い痛みが走った、その痛みに驚き左側を見ると。
石を持った子供達がいた、ランドセルを背負っている子供達が七瀬を憎しみに満ちた目で見ていた。その子供達が言うのだった。
「いじめっ子だ!やっつけろ!」
「あんないじめして平気なのか!」
「僕達が成敗してやる!」
「死ね!地獄に落ちろ!」
「やっつけてやる!」
「ちょっと、あれお芝居よ!」
七瀬は自分に石を投げ続ける子供達に咄嗟に叫んだ、石は今度は幸い当たらなかった。
「私達本当は仲いいのよ!」
「嘘吐け!御前普通に嘘吐いてるじゃないか!」
「昨日も吐いてただろ!」
「それで周り騙してただろ!」
子供達はドラマの話をする。
「大嘘吐き!」
「嘘吐きは悪い奴だ!」
「そんな悪い奴は許さないぞ!」
「僕達は騙されないからな!」
「これでも喰らえ!」
こう言ってだ、さらに石を投げてきた。七瀬はその石から必死に逃れて何とか再び当てられることなく子供達を振り切った。
しかしだった、何とか駅に着きホームで電車を待っていると。
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