第7章 聖戦
第169話 落ちて来るのは?
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がどう言う術的な根拠の元に行使可能な術なのか、その原理がまったく分からないので――
それで、ダンダリオンが言うには、志半ばで野望の潰えた権力者の首を使用する邪法が東洋にあるらしいのだが……。
確かにあの牛頭の魔神。スサノオだか、牛頭天王なのかは定かではないが、ソイツを夢の世界に封じた際に志半ばで野望の潰えた権力者の首。おそらくオルレアン大公シャルルの死体から奪われた首を取り返す事は出来なかったのだが……。
但し、そんな危険な物を使用する邪法に返りの風がない訳はないし、更に言うと、その恨みを完全にコントロールする事などそもそも不可能だと思うのだが。
相手。この場合は、自らの野望。ガリアの王位に就くと言う野望を邪魔した現ガリア王ジョゼフに対するオルレアン大公の恨みはかなり大きいとも思う。思うが、しかし、それ以外の者、物、モノすべてに対して、その恨みの力は向かう可能性が異常に高い……と思うのだが。
何故ならば、以前の牛頭天王の時にはガリアは言うに及ばず、このハルケギニア世界すべての国で疫病は蔓延した。いや、早急に手を打った……十分過ぎる水の秘薬を始めとする医薬品の準備と、地球世界の医学的知識の伝授、その他の魔法的な支援や、此方も十分過ぎる量の食糧の供給を行ったガリアと、効果的な策の打ち様がない他の国々とを比べると、むしろ呪いの標的とされたはずのガリアが被った疫病の被害の方が少ないぐらいなので……。
まして、あの疫病の呪いはオルレアン大公の家族にまで害をもたらせたので、その例から考えると、今回の小惑星召喚術式のもたらせる被害から術者の関係者たちが逃れる術はないようにも思えるのだが。
それで、アルザス侯シャルルがガリア王家に突き付けて来た要求はただひとつ。神の意向に従い、直ちに正統なる王に其の位を禅譲せよ。
もし、この命に従わぬのであれば、その時は立ちどころに神の怒りにより、退廃の都リュティスは滅びるであろう。
……と言う物であった。
そして、その証拠として、週にひとつずつ、隕石。……火球と言う現象を起こして見せたらしいのだが。
おそらく俺やタバサがルルド村に向かう途中で見た火球も、その小惑星召喚術の実験だったのでしょう。確かに流れ星……つまり、隕石と言う物は一日に数多く流れている物なのですが、しかし、電磁波音を発生させる火球と言う物は流石に珍しい。
あの時も確か、遙かアステロイドベルトから訪れた隕石による電磁波音の発生。こう考えたはず。
「流石に伝説の魔法……と言う事なのでしょうか」
僅かな嘆息混じりにそう言葉を発する俺。聞く者が聞けば、その中にブリミル神に対する不敬と取られかねない響きが含まれていた事を感じられたかも知れない。
しかし、そもそもそのブリミル教を表向きからは分からない……敬
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