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KANON 終わらない悪夢
52委員長会議
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生者に書き換える能力を持った妖狐はいない)
 秋子ちゃん牧場計画で、種牡である祐一の所に丘の狐を毎月毎週呼び出し、取っ替え引っ替え種付けして、特殊能力を見極めても、この世を純血の妖狐で満たして現生人類を滅ぼし、妖狐として転生を願っても、それは不可能だった。
『一度、あゆさんの魂を手放して、冥界に送って転生を待つ』
(それはもうあゆちゃんじゃないっ! 組み替えられて別の部品や因子と組み合わされてしまって、記憶だけじゃないっ、存在そのものが書き換えられるんだっ!)
 肉体、霊体、魂、その三つが揃って始めて月宮あゆであり、神と(キリスト)と精霊ではない三位一体を必要としている天使の人形。
 一度冥界に送られた魂は、肉体に残っていた記憶も消され、霊体も分解されて失い、魂そのものも組み替えられ修復され、新しい霊体と身体で転生する。それはもう「月宮あゆ」ではない。
 自暴自棄になって追い詰められた天使の人形は、全人類の滅亡まで願って、あゆとの殉死を強いていたのかもしれない。

(もうこんな世界はいらない。決まりだの法則だの、禄でもない事ばかりだっ、さあ委員長、君にも改変できないなら、もう僕が終わらせるよ、新しい世界を作って新しい法則であゆちゃんを蘇らせる)
 何度やり直しても手詰まりになるソリティアでもやっているように、怒ってパソコンごと叩き壊して、新しい基盤とOSでやり直そうとした天使の人形。残り一手を追加しようとした。
 委員長に対してもチェックメイトを宣言して、この世界も終わらせてしまおうとしたが、まだ委員長は諦めていなかった。
『いいえ、異世界に繋がった特異点は、ものみの丘だけじゃないわ。座古さん、貴方の分身が他の特異点を探し当てたでしょ?』
「あ、はい、京都とか四国とか、結構ありますよ。九州も何箇所か、奈良の方は厳しすぎて近寄れませんでした」
(な……)
 天使の人形が始めて絶句して、舞の精霊にも、自分の分身にも、決して見つけられなかった特異点を、観葉植物になったザコが探し当てたと聞いて驚いていた。
『下手な鉄砲も数を撃てば当たるものよ、今まで宗教団体とか胡散臭い娘には手出ししないで、(えにし)がある女の子とだけ付き合ってたけど、自暴自棄で全員ヤっちゃったのが上手く行ったようね』
 異世界の門があれば、それだけ別の世界が存在する。つまり、この世の法則が適用されない場所が、ものみの丘以外にも多数あって、その中で何らかの儀式を起こせば死者でも復活が可能になる場所があるかも知れない。
『貴方はエネルギー源である名雪さんから離れられなかったけど、今なら相沢くんと一緒にどこにでも行けるわ。今回相沢くんや秋子さんと争わなかったのは正解だったわ。来週にでも私と二人で、京都か九州に浮気旅行にでも行きましょうか? うふふ』
 他の女がブチ
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